幻想的で美しい「青の洞窟」一生心に残る、忘れられない感動!【後編】

イタリア

たくさん思い出が詰まったカプリ島

みなさん、こんにちは!アオテアロアです!

今回は【前編】で書ききれなかった続きです。
青の洞窟のことを書いていると、カプリ島でのたくさんの思い出がよみがえってきました。

※「オレジのジュース」と「レモ」のかき氷(笑)

青の洞窟に入れた時の感動、入れなかった時のガッカリ感、リフトに乗ってソラーロ山の展望台へ行ったこと、そこで眺めた海と島の美しさ、リモンチェッロの試飲でノドが焼けそうになったこと、空き時間に歩いた白くて細い路地、一目惚れしたカプリウオッチを買って腕に付けた時のこと、フニクラーレ(ケーブルカー)の窓から見たレモンの木…

「カプリ島」には、ここに書ききれないくらい、たくさんの思い出がぎゅっと詰まっています。

※ウンベルト1世広場より

みなさんの思い出が詰まった場所はどこですか?
人生長く生きていると、思い出の場所がどんどん増えていきます。

ちなみに私の大好きな国はトルコとニュージーランドです!

初めてバックパッカーで旅した思い出の国トルコ!

 

すべてに人に訪れてほしい、ニュージーランド!

 

これからも、いろんな国や街を紹介していきたいと思います。
前置きが長くなりましたが…前回の続きです!

長い道のりの末、カプリ島に到着し、いよいよ青の洞窟へ向かいます。

マリーナグランデから、青の洞窟へ!

ジェットホイルが到着するのはマリーナグランデです。

※マリーナグランデ

船には同じようにローマから日帰りで観光に来たたくさんの日本人グループや、島に宿泊する人たち、いろんな国籍の観光客が乗船しています。その人たちが一気に雪崩のように下船するので、迷子にならないように必死でガイドさんに付いていきます。

※この船で青の洞窟へ行きます!

そして、青の洞窟行きの船に乗り換えます。多くて40人ぐらい乗れる船で、乗りこむと直ぐに船頭さんがエンジンをかけて船を動かします。観光客で賑わっているマリーナグランデを離れ、美しいカプリ島を眺めながら、船は青の洞窟へ向かいます。

※船から見るマリーナグランデ

乗船して約10~15分で青の洞窟の前に到着します。そこで洞窟待ちの人が多ければ待ち時間が長くなり、少なければ少しの待ち時間で青の洞窟に入れます。

朝一番の船で洞窟へ向かう時は、これから出勤する船頭さんのボートを繋いで洞窟前まで引っ張って行くので、一番に入場できます!(朝一番の船に乗れるのは、ナポリに宿泊した人たちです)ですが天候に左右されるので、朝一番ではなくても、洞窟が開くタイミングで居合わせれば、船頭さんと一緒に洞窟へ行けます!

※わかりづらいですが、ボート2艘を引っ張っています!

石灰岩でできたカプリ島は全体が白っぽい灰色をしていて、断崖絶壁で囲まれています。人気の観光地ではあるものの、船から島を眺めると、どこか人を寄せ付けない雰囲気が漂います。

青の洞窟が見えてきました!

※入口が見えませんが、洞窟前の様子

初めて見た時は「え、あれが入口??」と思わず叫びたくなりました(笑)

年々小さくなっているような気がしますが…その日の波の状況にもよりますが、パッと見た感じでは水面から1mくらいです。その小さな入口を、忙しそうに船頭さんが漕ぐ小さなボートが出たり入ったりしています。

船に乗っている全員が、呆然とその様子を眺めています。なぜなら…洞窟の入口は想像よりはるかに小さく、入るのも命がけだからです!

※入口、見えますか?

普通にお上品にボートに座った状態では入れません、そんなことをしたら入口の岩にガ~ンと頭を直撃して、洞窟に入る前にあの世行きです…

洞窟の入口を通過する時、観光客はみんな体を縮こまらせて船底に寝そべります。船頭さんはそれを確認すると、タイミングを見計らって波が引いた瞬間に、入口に張ってある鎖を両手でぐいぐい掴みながら、寝そべっている観光客の上に自分もあお向けに体を倒し、ぎりぎりできた空間を一気に通過します。

もし、タイミングを間違えたり、突然大きな波が来たりしたら、船頭さんが入口の岩にぶつかって大ケガするかもしれません。そんなことを想像すると恐ろしくて、この瞬間はいつも目を瞑ってしまいます。

でもそこはプロの船頭さん、タイミングが悪く波が来てもケガをしているところは、一度も見たことがありません。でも、波をまともにかぶって、びしょ濡れになった船頭さんと観光客を見たことはあります…

※洞窟の順番待ち…この状態でひたすら待つ

これを今から自分たちが体験するんだと思うと緊張感が走ります。

私が初めて訪れた15年前は、ボートに6人+船頭さん(今では考えられない!)でした。船底に6人がキュウキュウに寝そべったら船がひっくり返っても身動きが取れません。今は4人+船頭さんですが、水位が高くて重さが欲しい時は5~6人乗ることもたまにあります。

※やっと船頭さんが来た!

自分たちの順番がまわってくると、船頭さんたちが船の周りに集まってきます。適当に4人に分かれてボートに乗ります。この時に揺れる船から揺れるボートに乗り移りますが、気を抜くと海に落ちそうになるので、すでにここから緊張します(笑)

船底にお尻をベタっと付けて足を伸ばして座ります。船は狭いので、カメラ、携帯、船頭さんへのチップだけを持ってボートに乗ります。手荷物を含め、他の物は全て船に置いておきます。無事に4人乗り込むと、いよいよ、待ちに待った青の洞窟です!

でもその前に、船頭さんは入口の親方の船に立ち寄って入場券を受け取ります。

これは記念にもらえるので、濡らしたり落としたりしないようにしましょう。

青の洞窟、入った瞬間、時間が止まった!

洞窟の前に行くといくつかのボートが順番待ちをしています。気を緩めてボートの淵に手を置いたりしたら、岩とボートの間に挟まれて大ケガをするので要注意!

※階段に並んでいるのはミニバスで洞窟に来た観光客

いよいよ自分たちのボートが入る順番がくると、船頭さんがもう一度「あたま」「て」と日本語で言ってくれるので、これを合図に船底に体を寝かせます。そして次の瞬間、ボートがぐらぐらっと揺れたかと思うと一気に入口を通過し、青の洞窟へ!

※船頭さんも体を倒して、一気に中へ!

「………。」

それまで聞こえていた観光客の声波の音も消え、船頭さんの「OK!」の声で目を開けたら…真っ暗…黒い岩の天井。

恐る恐る体を起こすと、そこに広がっていたのは、美しい「青の世界」

一瞬言葉が出なくなり、青の世界に心と体がじわじわと満たされた時、初めて「わぁ~、キレイ!」という言葉が出てきました。

…美しく幻想的な青の世界…

想像を超える青の洞窟の美しさと、苦労してやっと入れた時のあの感動は、今でも忘れられません!

青の洞窟

ポストカードで見ていたのと同じと言えば同じ光景だけど…でも実物はやっぱり違います!

自分の目で見て、青い海水に手を入れ、響き渡る船頭さんのカンツォーネを聴き、洞窟の空気を思いっきり体中に吸い込む…

写真を撮るよりも、まずは「青の世界」を体感してください!

ここに来るまでの長い道のりを振り返ると、いろんな意味で本当に大変だったけれど、そんな疲れも緊張もストレスも、洞窟に入った瞬間一気に消え去り、ゆっくりと青の世界に包みこまれていきます…

青の洞窟に入った人全員が私のように感動するかどうかはわかりません。感じ方は人それぞれなので…

でもゆっくりと感動に浸っている時間はありません。外には大勢の観光客が船の上で順番待ちをしているので、洞窟を一周したらすぐ出口に向かいます。滞在時間は5分あるかないか…です。

洞窟の入口は狭いけど中は広く、奥行き57m、幅30m、高さ15m、深さは20mを超える大きな洞窟です。

青の洞窟がなぜ青いのか?それは光の反射によるものです。狭い入口から入ってきた太陽の光が海底の石灰岩に反射して、水面下から洞窟に差し込みます。光は虹と同じ7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)で構成されていますが、中でも「青」は水に吸収されにくいため青だけが海の中に残り、暗い洞窟の中ではその青が一層青くキレイに見えます。

季節や天候、時間帯により差し込む光の量や角度が変わるので、濃い青の時もあれば、明るい青の時もあります。一番キレイに見られるのは正午の前後2時間ですが、それ以外の時間帯でも、もちろん美しい「青の世界」を楽しめます。

ポストカードのような写真を撮るなら、入口から離れたところから撮ると良い感じで撮れます。でも真夏の大混雑の時は、入口周辺に順番待ちをしているボートがたくさんいるので、丸いキレイな入口ではなく、ボートと船頭さんのシルエットが印象的?な洞窟写真になります。

もっと青の世界に浸りたい!まだ出たくない!でも…滞在時間は限られています。

ボートが出口に近づくと、さっきまでは深みのある青だった水面が、明るい透明な青色に変わります。よく見ると泳いでいる魚も見えます。思わず海水に手を入れてパシャパシャしてしまいます(笑)

そして出口でまた船頭さんの「あたま」と「て」の掛け声…それを合図に船底に寝そべり、無事に外へ脱出!船頭さんの「OK!」の掛け声で目を開けると、そこには青空が…

体を起こすと、さっきの自分たちと同じように、ドキドキしながら順番待ちをしている観光客の姿が目に入り、急に現実に引き戻されます。

そして船に着くと船頭さんに1人1ユーロずつチップを渡して、また緊張しながら今度は低いボートから高い船に乗り移ります。乗り移る時、スカートをはいていると、スカートの中が見えることがあるので女性の方は服装に注意です。

間違ってミニスカートをはいてきたりしたら、船頭さんが仕事に集中できなくなるので、そういう時はストールなどを巻きスカート風にして使いましょう(笑)

船に戻って来るのに時間差が出ますが、全員が船に戻ったら青の洞窟の観光は終了です。

船では「キレイだったね、青の洞窟!」と言いながら、お互いに写真を見せ合ったり、感想を述べたりしながら、みんな満面の笑みを浮かべています!

こんなに時間をかけて、やっとの思いで来れたのに、青の洞窟の滞在時間は数分だけ…
それでも入れた時の感動は一生ものです!船はまた、マリーナグランデへ戻ります。

※マリーナグランデ

青の洞窟は、洞窟に入るまで油断できません

なぜなら待っている間に風が出てきて波が高くなり、さっきまで入れた洞窟が閉まってしまうことがあるからです。

逆にカプリ島に到着した時に閉まっていた洞窟が、急に開いたりすることもあります。そういう時は、ガイドさんの携帯に洞窟の親方から連絡が入ります。

一度は入れないと諦めて、暗く悲しい気持ちになっている時に、突然ガイドさんに「落ち着いて聞いて!洞窟がOPENしたって連絡がきたよ~!」と言われた時のテンションの上がり方は、普通に入れる!と分かった時の数倍です!

まるで頭の中で、大きな打ち上げ花火が上がったかのよう!みんな大声をあげて飛び跳ね、子供みたいに大喜び!洞窟に入る前から嬉し涙を流します!もちろん、私も!(涙)

なので、青の洞窟に入れることは本当に「奇跡」です!

思い出は書き残しましょう!

過去に行って入れたという方はラッキーです。

入れなかったという方は、機会があれば再チャレンジしてみて下さい。再チャレンジして入れた時のために、面白い思い出話をひとつ…

熟年夫婦の方と新婚さんと一緒に洞窟に入った時のこと…

船頭さんが大サービスをしてくれました。なんと、洞窟内を「3周」もしてくれた上に、自慢ののどで何曲もカンツォーネを歌い、写真まで撮ってくれました。

私たち5人は嬉しくて大感激!初めて青の洞窟をゆっくり堪能できました!

ただ…しきりに船頭さんが嬉しそうに「スペシャルチップ」と呟いていたのが気になったものの、頼みもしていないのにこんなにサービスしてくれるなんて超ラッキー!陽気で親切な船頭さん!と思っていたら…

船に戻って熟年夫婦の方がチップを渡そうとした時「お札しかないんだけどお釣りってもらえますか?

チップは気持ちなのでお釣りはもらえません…と答えると、ご主人がポケットをごそごそし始めました。それを見た船頭さんが「その手に持っているのがチップじゃないのか~!」と叫びました。見るとご主人の手には小さく折りたたんだ10ユーロ札が…

青の洞窟イケメンボート

船頭さんは洞窟に入る前から目ざとく見つけていたのです、小さく折りたたんだ10ユーロ札を!それをチップとしてもらえると思い込み、ひとりで張り切って3周したりカンツォーネを歌ったりして大サービスをしてくれていたのです(笑)

ご主人が「えっ?」という顔をしてさらにポケットを探ると、船頭さんが大きな声で「オ~、NO~!」と、今度はがっかりして顔を崩して泣きそうになりました。それを見たご主人が「ごめんごめん、たくさんサービスしてくれてありがとう!」と10ユーロを手渡しました。

そしてご主人は新婚さんと私に向かって笑顔で「たくさん楽しめて良かったよね!10ユーロ以上の価値があったね」と言うと「みんなで一緒に記念写真を撮ろう!」船にいるガイドさんにカメラを渡し、もう機嫌を直した(早や!)船頭さんと一緒にみんなで写真を撮りました!

この思い出も15年前のお話です…

海外旅行が再開したら、また青の洞窟へ行きたいです。何回入っても、いつも感動します。

永遠に変わらないものなんてこの世に無いことはわかっているけれど、青の洞窟の感動は私の記憶の中では永遠です…

温暖化で海水面が上昇したら、もう青の洞窟に入れなくなるかもしれません…

もちろん、洞窟の入口を削れば入れるかもしれませんが、人工的に手を加えてまで入ろうとするのはどうでしょうか?自然のものは自然のままで残すかもしれないし、その時にならないとわかりません…

※ウンベルト1世広場と時計塔

青の洞窟のように、いつまでもそこにあるとは限らないものは、他にもたくさんあります。どこから訪れるかは人それぞれですが…個人的には、死ぬまでにボリビアの「鏡のウユニ塩湖」を訪れたいです。ウユニ塩湖に映る青空と星空の両方をみたいなぁと思っています。

これを読んで、青の洞窟を訪れたい行き先のひとつに加えて頂けたら嬉しいです!その時は、10ユーロ札船頭さんから見えるように手に握ることを忘れないで下さい(笑)

もしみなさんにも、楽しい旅の思い出や感動した場所があるのなら、忘れないうちに書き残しておくことをおすすめします。

私自身「こんなに面白い話は忘れないだろう」とその時はそう思って書き残さなかったけど、やはり年月とともにたくさんの話を忘れてしまいました。それがすごくもったいないです…

※ローマで一番美味しいエスプレッソ

記憶の引き出しには入っているものの、引き出しがどこにいくつあるのか?自分でわからなくなっただけだと信じたいです。なので、これからは忘れないように書き残していこう!と思ったら、仕事がない…だから今は記憶の引き出しを探しながら、こうして形にしています。

このコロナですら、数年後には記憶に埋もれてしまうと思います。これから来年の手帳が店頭に並び始めます。スマホ時代ではあるけれど、やはり手書きで残す方が記憶に残るので、今年は日記のように簡単に書くスペースがある手帳を買ってみようかなと思います。

みなさんも、また旅行へ行けるようになったら「自分だけの思い出」を書き残してくださいね(^ ^)

まだ読んでいない方、青の洞窟の【前編】はこちらからどうぞ!

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コメント

  1. pocoapoco より:

    青の洞窟、本当にきれいなブルーですね。リアルに洞窟に行った気分になれました。
    いい記事をありがとうございます。
    はりきり船頭さんとチップ10€の話はウケました^O^
    正直でわかりやすいですね(笑)チップでそんなにスペシャルになるなら
    新婚さんにとっても良かったですね。

    • aotearoa aotearoa より:

      本当に!ありがとうございます!(^^)
      入った人にも、入れなかった人にも、入ったことがない人にも、楽しんでもらえたら嬉しいです!
      数年前に、この話を聞いた新婚さんが15ユーロ渡して5周してもらったって、嬉しそうに話していました!
      たくさんの楽しい思い出が詰まった国イタリア…
      また行ける日を楽しみに、これからもいろんなエピソードを書いていきます!

  2. RUMI より:

    10ユーロめちゃくちゃ受けましたそれにしても綺麗な青の洞窟ですね。癒されました。

    • aotearoa aotearoa より:

      あれ、実話です(笑)泣きそうになった船頭さんを見たら、渡さずにはいられないです(笑)
      青の洞窟は大好きなので、たくさん写真を撮っておいて良かったです。
      懐かしすぎて、次に行ったら嬉し泣きしそうです(涙)