この時期になると、飲みたくなるもの!
みなさん、こんにちは!アオテアロアです!
もう10月ですね…一年がとても早くてビックリです。
なぜ毎日がこんなにあっという間に過ぎていくのか不思議でしょうがないです。何かと忙しくしているからでしょうか?
最近、ハマっているのがタイピングの練習で、始めると1~2時間はすぐにたってしまいます。
先日、家の近くの田んぼで怪現象?を発見。田んぼの一部が一晩で??茶色くなり稲が倒れてミステリーサークルのようになっていたのです、何か所も…
※時間が経つほど、「ウンカ」で枯れた面積が広がりました…
農家の方に聞いたら「ウンカ」という害虫が稲に付着して養分を吸い取り、あと10日もすれば収穫できるはずだった稲穂が茶色く枯れてしまったそう…中国の方からジェット気流に乗って来るそうで、ただ越冬ができないから来年までは生きられないとの事。
コロナ禍で大変な時に、お米の収穫もできないなんて、農家の方にとっては大打撃です。この辺りの田んぼで「ウンカ」の被害がない田んぼはほとんどなく、大なり小なり枯れた稲の固まりが見られます。
秋になればお米が収穫できる…ことは、当たり前ではないんだなぁと改めて思いました。来年は豊作になることを祈ります…
FBに思い出の投稿が時々でてくるのですが、懐かしい思い出の写真が出てきました。この時期にしかの飲めない特別な飲み物の写真です。
久しぶりに会った同僚とも「この時期になると、あれが飲みたくなるよね~!」と話していたので、今回はこの飲み物について書こうと思いました。
突然ですがクイズです!その飲み物とは何でしょうか?
ヒント、この時期(8月下旬~10月下旬)にしか飲めなくて、その飲み物と出会った国はオーストリアです。
答えは…「シュトゥルム!Sturm」です。
シュトゥルムを紹介しようと一所懸命、写真を探したのですが、いくら探してもシュトゥルムの写真が見つからず(涙)看板の写真はあるのですが、モノ自体の写真がない!きっと、写真を撮るのも忘れて飲んでいたのでしょう(笑)
※シュトゥルムと出会ったザルツブルク
でも、写真はなくとも、初めて飲んだ時のことは覚えています。
シュトゥルムとの出会い
初めてシュトゥルムに出会ったのは、本当に偶然でした。
あれは2011年のちょうど今頃…
オーストリアのザルツブルクを散策していた時のことです。
以前に書いたハルシュタットの話で紹介した「魔法の塩」を売っている塩専門店で、たくさん塩を買い込み、これでしばらくは塩に困らないな~と思いながら店を出て歩き出した時に、大きな看板が目に留まりました。
その看板に大きく「Sturm」の文字とワインのボトル…
これは…何?なんだろう…?
※これがその時の写真です
今だったらルーターを持ち歩いているので直ぐにネット検索できますが、この頃はまだルーターを持っていなかったのでその場で調べられず、看板の前でじっと考え込んでいたら、お店の中からお姉さんが外に出てきて「ハロー!」と声をかけてきました。
「これは何ですか?」と尋ねると、お姉さんが親切に教えてくれました。
「これはワインになる前の発酵途中のブドウ酒で、一見ジュースのようだけどアルコールが入っていて、といっても3~5%くらいかな?ジュースとワインの中間みたいな感じ。葡萄収穫の今の時期にしか飲めない特別なもので、みんなシュトゥルムを心待ちにしているの。だからこうして目立つように、シュトゥルム置いています!って看板を、わざわざ表に出しているの」
9月にオーストリアを訪れたのが初めてだったので、今までシュトゥルムのことを知らなかった!
※ゲトライデ通り:ザルツブルク旧市街
「とっても美味しいわよ!一杯飲んでみたらどう?」笑顔で勧めてくれるお姉さん。
「じゃあ、1杯お願いします!」好奇心が抑えられずに注文!
透明のガラスのマグカップに入って出てきたのは「白」のシュトゥルム。発酵途中なのでシュワシュワ…とした微炭酸、ワインと違いすこし白く濁っていました。これは…ワインの濁り酒??
飲んだ瞬間!んっ?……!!!
「めっちゃ美味しい~~❕❕❕❕」(*´▽`*)
ひとくち飲むと、あまい葡萄果汁が口の中に広がり、その中に発酵によりでてくるアルコールとわずかな酸味が感じられ、口当たりが良い微炭酸がお酒と言うより葡萄ジュースのような味わいに…なんとも言い表せない、絶妙な美味しさ!クセになる味です。
「そうでしょ!美味しいでしょ!私も大好きなの!」とお姉さんもニコニコ笑顔!
「これなら、何杯でも飲めるわ~!」と言うと、お姉さんが「シュトゥルムは甘くて美味しいから、つい何杯も飲みたくなるけど、そんなに飲んではダメなのよ!」
その理由は名前にも…
「シュトゥルム:Sturm=嵐」
シュトゥルムは、お腹の中でもシュワシュワ…と発酵を続けるので、あまくて美味しいからと飲み過ぎると「お腹の中が嵐になる」=つまりお腹を壊してしまうのです!なるほど!
お姉さんにこの事を教えてもらっていなかったら、あやうくお腹が嵐で荒れるところでした(汗)ヨーロッパはバスの移動時間が長いので、お腹を壊すと冷や汗ものです。
葡萄を収穫したらワインを造るために葡萄を絞り、できあがるのが葡萄ジュース。この葡萄ジュースが発酵を始める前の状態をモスト:Mostといいます。
モストが発酵するとシュトゥルムになります。シュトゥルムの発酵が進むとワインになります。シュトゥルムは「葡萄ジュースとワインの中間の濁り酒」と言えます。
シュトゥルムは飲む時期によって味も変わります。出回り始めの頃は、発酵がまだあまり進んでいないのでアルコール度数が低く、ほとんど葡萄ジュースと同じです。
自分でコントロールしないと、葡萄ジュースを飲むかのように、ごくごくと飲み過ぎてしまいます。ジュースの様でも発酵途中のお酒…です。どちらにしても、飲み過ぎには気を付けましょう!
一度飲んだら…病みつきになる美味しさ!
その日の夕食レストランで、シュトゥルムがあるかな~と思ったら「シュトゥルムSturm」の張り紙が!また飲める~!嬉しい~!
ツアーのメンバーにもシュトゥルムを勧めると、全員が注文!みんな、美味しい~!と飲んでいました。
ただ「お腹が嵐」になるといけないので、2杯まででストップ!翌日はザルツブルク~ハルシュタット~ウィーンへの移動日なので、体調管理をしっかりしないと、トイレを求めて大泣きするのが目に見えています…
翌日、秋の美しいハルシュタット湖畔の散策を楽しんでいたら…見つけてしまったのです!あの文字が書かれた張り紙を!
※シュトゥルムがシュトゥルム(嵐)の中に!
私もツアーの人たちも、我慢できずに吸い込まれるようにぞろぞろと店内へ…
だって今の時期だけ、それも現地でしか飲めないものだから、これを素通りしろと言う方がムリです。また、みんなで「美味しいね、シュトゥルム!」と言いながら、1杯だけ楽しみました。
※美しいハルシュタット湖畔
散策が終わると、車窓から秋の景色を楽しみながら、ウィーンへ移動…
夕食のレストランに入ると、そこにも、またあの文字が!
さすがに4回目なので写真はありませんが、そこに書かれていたのは、もちろん「シュトゥルムSturm」です(笑)
みんなの顔が嬉しさでパっと明るくなり、また全員で「カンパーイ!」
夕食のテーブルは旅の話やシュトゥルムで、とても盛り上がりました(笑)
この時のシュトゥルムの「美味しさ」と「楽しさ」が忘れられず、この時期になるとシュトゥルム飲みたいなぁ~と思います。
シュトゥルムを飲める時期にオーストリアを訪れたのは数えるほどですが、だいたいは張り紙や看板を見つけて飲むパターンが多いです。シュトゥルムの看板が見つけられない時は、直接お店の人に聞きます。
その時に「今年のシュトゥルムは終わったのよ~」なんてお店の人に言われた時は、飲めないショックで倒れそうになります。だって次にシュトゥルムを飲もうと思ったら、一年待たないといけないから…(涙)
なので9月~10月に行っても、必ず飲めるかはわかりません。出回るのが早い時もあれば、遅い時もあり、なくなれば終了なので、飲めるかどうかは行ってからのお楽しみです。
ホイリゲへ行こう!
今回はシュトゥルムをメインに書いていますが、シュトゥルムはワインになるので、ぜひそのワインも飲んできてください!オーストリアのワインは、あまり日本に入って来ないので、新しい味のワインに出会えるかもしれません…
※ウィーン市庁舎
オーストリアにはホイリゲと呼ばれる「ワイン居酒屋」があります。ホイリゲはおもに東オーストリアにあり、ウィーン郊外にもたくさんのホイリゲがあります。
ホイリゲには二つの意味があり、一般的には「ワイン居酒屋」という意味で使われます。もう一つの意味は、その年に収穫して造られた「新酒のワイン」です。一年未満の新酒のワインはホイリゲと呼ばれます。
オーストリアの新酒の解禁日が11月11日(聖マルティンの日、収穫祭が行われ冬の始まりの日)で、この日から「ホイリゲ」として一年未満の新酒のワインが飲まれます。ちなみに日本では11月11日はポッキーの日です(笑)覚えやすいですね!
日本では新酒の季節になると「今年も新酒ができました!」という目印に、店先に「杉玉」が吊るされますが、ホイリゲにも同じような習慣があり、ホイリゲが飲める営業期間中は軒先に松の枝を束ねた目印が吊るされます。
新酒のワインを求めて人々が葡萄農家を訪れるようになり、1789年に当時の皇帝ヨーゼフ二世(マリアテレジアの息子)が葡萄農家に「年間300日以内で、自家製ワインの販売と簡単な食事の提供をしても良い」と許可をしたことがホイリゲの始まりと言われています。
※シェーンブルン宮殿
ホイリゲは2019年にユネスコの無形文化遺産に登録され、今では世界中からたくさんの観光客が訪れます。
「ワイン居酒屋」という名前の通り、ホイリゲはワインを飲む場所ですが、たくさんの観光客が来るようになってからは、ホイリゲ風?の大きなお店ではビールも置いています。
葡萄畑が広がる郊外で、家族経営をしているホイリゲが多いので、ウィーンからだと車やトラムを利用して行きます。
ホイリゲで食事をしていると、「シュランメル」と呼ばれる大衆音楽の生演奏をする楽士さんたちがテーブルまで来て演奏をしてくれることがあります。
ギター、バイオリン、アコーディオンなどの楽器で奏でる調べは、ホイリゲでの食事を盛り上げてくれます。その楽しい光景は記憶に残っているのですが…これも写真が一枚もないです(涙)
秋の訪れ…と、遠い国からの知らせ
シュトゥルムは発酵途中のワインなので、ワインを造っている国ならどこでも飲めるかと言うと、そうでもないのです。ワイン大国で有名なイタリアでもフランスでも、シュトゥルムを見たことがないです!
イタリアのガイドさんに聞いたら、シュトゥルム、ありました!イタリア語ではトルボリーノ(torbolino=濁っている)で、主にイタリア北東部で飲まれているようで、町によってはお祭りもあるそうですが、現在は見かけることが少ないそうです。
※葡萄畑
オーストリアのお隣のドイツにもシュトゥルムがあります!
でも何故か?同じドイツ語圏なのに、ドイツでは全く違う呼び方をします。
ドイツでシュトゥルムはフェーダーヴァイサー(Federweißer)と言い、その意味は「白い羽」、赤のシュトゥルムはフェーダーローター(Federroter)「赤い羽」と言います(rot=赤です)シュトゥルムに漂う酵母が白い羽のように見えるからだそう…
オーストリアの「嵐」という意味とは対照的な「美しい名前」だと思いませんか?同じ飲み物なのに…
ドイツ人はシュトゥルムを飲み過ぎても、お腹を壊さないのでしょうか?そもそも飲み過ぎないのかも?シュトゥルムを1杯飲んだら、2杯目からは大好きなビールを飲むのかもしれません(笑)
※オクトーバーフェスト ビール祭り:ミュンヘン すごい密です!2020年は中止が決定。
実はスーパーでもシュトゥルムを買えますが、日持ちしない上に、ボトルで販売しているので、大人数で飲むなら購入してもいいかもしれませんが、旅行中に買うのは難しいです。
発酵途中なのでボトルの中でも発酵を続け、栓をして「密閉」すると、ガスがたまってボトルが破裂してしまいます!それくらい発酵の威力がすごいです。
スーパーではシュトゥルムが店内で破裂することがないように、ボトルの栓の代わりに、小さな穴を開けたアルミホイルを被せて輪ゴムでとめています。栓がしてあると思って横にしたり、振ったりしたら…危険です(笑)
オーストリアで生産されるワインの約7割が白ワインなので、シュトゥルムは白が多いですが、赤のシュトゥルムもあります。
私は飲んだことがないのですが、シュタイヤーマルク州で生産されるシルヒャー(Shilcher)という葡萄の品種から造られるロゼのシュトゥルムが有名で人気があります。シルヒャー・シュトゥルムと呼ばれ、普通のシュトゥルムと区別されています。機会があれば一度飲んでみたいです!
オーストリアでは、シュトゥルムが出回ると、秋の訪れを感じるそうです。
日本で秋を感じさせる食べ物は何でしょう?ネットで調べてみたら、第1位は「秋刀魚」でした!
同じく上位にランキングしたのが「栗」でした。どちらも秋の味覚ですね!
今でもシュトゥルムに出会った偶然と、親切に教えてくれたお姉さんに感謝しています。あの出会いがなかったら、シュトゥルムを知らずに旅を終えていたかもしれません…
お姉さんのお店は、美味しい塩専門店の隣にあったビネガー(お酢)の専門店でした。いろんな種類のビネガーが並んでいて、瓶の大きさを選んで、その瓶にビネガーを入れて買うスタイルのお店でした。
でも数年後に訪れた時に、そのお店はなくなっていました。もう二度と、あのお姉さんの笑顔をみることはできません…
ここに行けば、これがある…そういうものが時間と共に、ひとつ、ふたつ、と消えていく…時の流れを感じる寂しい瞬間です。
現在、その危機にあるのがリトアニアのカウナスという町にある「杉原記念館」です。
ユダヤ人に「命のビザ」を発行し6,000人以上の命を救った「杉原千畝」さんをご存知でしょうか?
千畝(ちうね)さんが「命のビザ」を発行した時に、日本領事館として使っていた建物が、今、存続の危機に陥っています。
※ここで、休むことなく手が動かなくなるまでビザを発給
訪れていた観光客の8割以上が日本人でしたが、このコロナ禍で訪れる人がなく、維持するのが難しくなりました。それを聞きつけた旅行会社の人や添乗員さんたちが一致団結して、クラウドファンディングを立ち上げました。
同じ旅行業界で働く者として、私も出来る限りの協力と応援をしたいと思っています。
「杉原記念館」がどんな所で、今どんな状況なのか知りたい方、また寄付をしようという方は、下記をクリックしてください!
「杉原記念館」は歴史的にも、日本人にとっても、大切な場所です。写真は2016年に訪れた時の写真です。
千畝さん一家が、遠い異国の地に住みながら、日本のことを想って植えた桜の木が、今は観光客を優しく迎え入れてくれます。いつかまた、この大切な場所を再訪できることを願って、最後に紹介させていただきました。
コロナが収束した後の海外旅行は、いろんなことが変わっているかもしれません…
それでも、私が今まで見てきたものを、これからも紹介していこうと思います!
魔法のお塩とハルシュタットのお話はこちら!
インスタグラムにも海外の写真をたくさんアップしています。
良かったらぜひ、見てください!
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コメント
シュトゥルム飲んでみたいですね。特にロゼに興味があります。
オーストリアのホイリゲの雰囲気も大好きなんです。
行きたい国がまた増えてしまいました。(笑)
杉原先生の記念館、みんなに広がり維持できることを願っています。
自分にできる範囲で何かしたいですね。
私もロゼのシュトゥルムを飲んでみたいです!
なかなかピンポイントでシュトゥルムの時期に訪れることがないので、行けるときは日本出発前から楽しみです。
どこを旅行してもそうですが、音楽って形には残らないけど、記憶には残りますよね!
音楽とワインと料理で盛り上がるホイリゲでの楽しい時間…旅行っていいですよね!
記念館の裏にはリンゴの木が二本(=日本)植えてあります。
戦争が始まるかもしれない激動の時代、日本に帰れる保証もない…
どんな思いで日本人が全くいないカウナスで暮らしていたのか?想像を絶するものだったと思います。
歴史的価値だけではなく、日本人としても、この建物は残ってほしいです。
秋になりましたね。本当に1年って早い。私はアルコールが苦手なので8月から9月初めにでるmostが大好き瓶や缶で無く、、生搾りは最高いつも楽しいブログありがとうございます
お酒、苦手なんですか?モストなら大丈夫ですね!
シュトゥルムはアルコール度数が低いので、まだ飲みやすいです✨
秋といえば栗ピエールエルメのモンブランが食べたいなぁ…思い出すのは海外の思い出ばかりです。
早く海外旅行、再開してほしいですね!