パティスリー界のピカソ、天才パティシエが作る「絶品モンブラン!」【後編】

モンブラン フランス

寒くなったら鍋料理!絶品「鍋つゆ」はこれ!

みなさん、こんにちは!アオテアロアです!

紅葉も終わり、だんだんと本格的な冬がやってきました。これからは「鍋」が美味しい季節ですね!

みなさんは鍋をする時、何鍋を作りますか?
最近はまっている鍋つゆのもとがあります。

脳天はぶち抜かれませんでしたが(笑)何回食べても「安定の美味しさ」で、ダシや他の調味料とのバランスも完璧、鍋料理以外に使っても美味しく、私はよくこの鍋つゆで「豚バラ大根」を作ります。

その、おすすめの鍋つゆがこちら!
【キッコーマンの寄せ鍋つゆ、コクだし醤油】です。

私が社長ならこの鍋つゆを開発した人に「特別ボーナス」を支給したいくらい、美味しくて、とても「優しい味」です。

水で薄めて(野菜からも水分が出るので最初は濃いめに)味見をした時も十分「あ~、美味しい!」ですが、具材を煮込んで出てきた旨味やダシと合わさると相乗効果でさらに美味しくなり、ひとくち食べると「うわぁ、めっちゃ美味しい~!!」になります(笑)湯気とともにアツアツ幸せ感が一気に食卓を包み込み「最高に美味しい鍋!」になります。

この鍋つゆ、同じシリーズの【鶏がら塩味】はよく見かけるのですが、なぜか【コクだし醤油】を置いていないお店が多く、わざわざ【コクだし醤油】が置いてあるスーパーまで買いに行きます。これも私の主観的感想ですので、みなさんのお口に合うかは食べてみないと分かりませんが…あくまで参考に。

ちなみに、先日テレビで「鍋のもと人気トップ3」を紹介していました。この鍋つゆが入っていなくて残念でした(涙)1位に選ばれたミツカンの「〆まで美味しいごま豆乳鍋つゆ」早速、買いに行ったら売り切れでした…テレビ効果すごいです。

テレビの中で、世間に出回っている鍋のもとは約900種類と言っていました。私が食べた鍋のもとはせいぜい15種類くらい…この冬は「究極の鍋のもと」を求めて、いろいろ試してみようと思います。

前編の続きですが、ピエール・エルメとの出会いとバニラタルトの「衝撃」を書いて終わってしまい、ピエール・エルメについて紹介していなかったなと…

最近はミスドやコンビニ、羊羹の「とらや」などとコラボ商品を作って話題になったり、日本のテレビにも登場したことがあるので、ピエール・エルメをご存知の方も多いと思います。

ピエール・エルメってどんな人?

去年、ギャル曽根ちゃんが「ピエール・エルメ・パリ」本店に置いてもらえる自作スイーツ作りにチャレンジするという、無謀ともいえるテレビ番組の企画に挑戦したのをご存知でしょうか?観ていた方は記憶されているかもしれませんが、彼女が挑んだお店が「ピエール・エルメ」です。

仕事の都合でとびとびでしか観れず、挑戦の経過や成長ぶりを見ることができなくて残念でした。そのうえ最終回も見逃してしまい、結果が気になってネットで調べてみました。

トップパティシエたちにアドバイスをもらいながら頑張って作った、チョコレートとバナナを使ったムースタルト(調べたけど写真が見つからず)を完成させ、あの天才ピエール・エルメに試食をしてもらったそうです。

ピエール・エルメから「お褒めの言葉」も頂いたようですが、結果は「✕」でした…

「ピエール・エルメ・パリ」本店にスイーツを置いてもらうことは叶いませんでしたが、彼女が最後に「自分のできることは全部やり切った」という言葉を口にしたそうで、この言葉から短い期間で相当努力をしたんだなと思いました。

話がそれてしまいましたが…
ピエール・エルメPierre Herméについて紹介したいと思います。

1961年11月20日、フランス・アルザス地方にある小さな町コルマールで、4代続くパティシエの家系に生まれました。

14歳でフランス菓子界の巨匠「ガストン・ルノートル」の元で修業、26歳で世界的に有名な高級食料品店フォションのシェフパティシエになります。

35歳の時にフランス「パティシエ・オブ・ザ・イヤー」、芸術文化勲章シュバリエを受章、36歳でLADURÉE (ラデュレ) の改革に携わり、有名な「イスパハン」や「プレジール シュクレ」などを発表します。

1998年、37歳で「ピエール・エルメ・パリ」ブランドの第1号店を東京赤坂のホテルニューオータニにオープン、なんと第1号店はパリではなく日本だったのです!

2001年、40歳でパリ6区のボナパルト通りにフランスの第1号店をオープン!

2016年、55歳の時に「世界のベストレストラン50」の授賞式で「世界の最優秀パティシエ賞」を受賞!(一部省略、ピエール・エルメ公式HPより抜粋)

ピエールエルメの経歴/公式HPはここをクリック

すごい経歴です。でもなぜ、パリではなく日本で第1号店を出したのかちょっと気になり調べてみたところ、パリ在住の作家、辻仁成さんがピエール・エルメにインタビューした記事があり、そこに理由が書かれていました。

◆ピエール・エルメ×辻仁成の対談 ここをクリック

なんと、ピエール・エルメはフォションで働いていた時に、日本に来たことがあったのです。その時に日本のプロパティシエ育成学校で講師をしていたこともあったそうです(なんてラッキーなパティシエの卵たち!)

この経験があったから、ピエール・エルメはよく日本の食材をスイーツに取り入れています。例えば抹茶や小豆(これらは普通かな)変わったものだと柚子やわさび、白みそなど(これらは食べるのに勇気がいる…)誰も発想できない味の組み合わせ…これがピエール・エルメです!

自分の店を出す準備をしていた時、偶然、東京のホテルニューオータニでスイーツのデモンストレーションをし、その時のいろんな出会いがきっかけで、日本で第1号店を出すことになったそうです。

この頃、私はまだピエール・エルメのことを知らなかったです。今思えばもっと早くに知っていればなぁと思いますが、でも、出会わずに人生終わってしまうことを考えると、たとえ遅くてもピエール・エルメに出会えてラッキーです。

ちなみに、辻仁成さんがインタビューで「イスパハン」と「バニラタルト」ピエール・エルメを語る上で外せないケーキだと書いていましたが、全くの同感です。

バニラタルトについては前編に書きましたが、実はピエール・エルメを有名にしたケーキは「イスパハン」と言っても過言ではありません。

「イスパハン」は、それまで誰も考えつかなかった「フランボワーズ、ライチ、ローズ」を組み合わせた絶品スイーツで、辻仁成さんがイスパハンのことを「食べる香水」と表現しています。さすが作家さん!率直でストレートで美ししい表現です。

※美しい「食べる香水」イスパハン

私だったら「イスパハンの世界にダイブ~」としか表現できないです(笑)

ピエール・エルメ自身も「イスパハンは一生に一度は食べてほしい」と言うくらいの自信作です。

バニラタルトを食べた翌月、11月中旬にまたパリへ行きました。その時に無事にピエール・エルメの「モンブラン」とご対面しました。この出会いは私の中の「モンブラン」の味を書き換えるものでした。

ピエール・エルメのモンブラン

11月に入ってから再びパリを訪れた時、開店と同時にお店へ行きました。万が一、売切れたりしたらショックなので…

ドキドキしながら店内に入ると、一番に目に入ってきたのがモンブランでした。
「やった~!あった~!」モンブランを見た瞬間、思わず歓声を上げてしまいました。

店内を見回すと、いた!フランソワ~!
「フランソワ~!ボンジュ~ル!」
彼は私のことを覚えていてくれました。

「モンブラン、買いに来たよ~!」と言うと「今日はモンブランあります!」と笑顔で答えてくれました。

「あのバニラのタルト、すごく美味しかった!美味しすぎてビックリして倒れそうになったよ!」と言うとうんうんと頷き「このモンブランもとても美味しいですよ」とモンブランを指さしました。

「モンブランは栗が美味しい時期にしか出さないので、栗がなくなったら終了です」
そっか…だから不定期の期間限定発売なのか。

※2014-2015モンブラン祭り~(パリ本店)

「じゃあ、モンブランひとつお願いします!」
フランソワが前回と同じく、マカロンを勧めてきました。

「これも冬限定のマカロンで、トリュフとヘーゼルナッツのマカロンです」

トリュフのマカロン?????
トリュフをマカロンに????
どこからそんな発想が!!!!

これを聞いただけで「ノックアウト」されてしまいました(笑)

※2015年11月撮影 右端がトリュフマカロン

どんな味か全く想像できない!これぞ、ピエール・エルメ!
誰も思いつかない発想のトリュフマカロン、もちろん買いました。これも冬限定ということは今しか食べられない貴重なマカロン、味覚が確かなフランソワが勧めるのだから間違いない!

こうして2度目のピエール・エルメではモンブランとトリュフのマカロンを購入しました。現在はお店の向かいにピエール・エルメのカフェができたので、そこにケーキを持ち込んで食べることが可能ですが(カフェにもケーキ&マカロンあります)当時はまだピエール・エルメのカフェがなく、ケーキを買っても食べる場所がなかったので、ホテルに持って帰って食べていました。

※ピエール・エルメ本店の真向かいにあるカフェ・ピエールエルメ

そのためピエール・エルメでは、お店のすぐ近くにある「カフェ・マリー café de la marie」と、1ドリンク注文することを条件にケーキを持ち込んで食べられる提携をし、すぐにケーキを食べたい私のような客にそのカフェを案内していました。

カフェ・マリーの二階の窓際席について、さっそくモンブランを箱から取り出しました。実は個人的にはそんなにモンブランは好きなケーキではないので(モンブラン好きな方、ごめんなさい)古本屋で見つけた「パリ スィーツの話」の本と出合っていなければ、ピエール・エルメのモンブランを買うことはなかったと思います。

なぜ、そんなに好きではないか?
理由は、モンブランは「食べている途中で飽きてくるケーキ」だからです(個人的な感想です)

最初は栗の風味や生クリームが合わさって美味しいと思うのですが、半分くらい食べると「飽きてくる」のです。今まで私が食べたモンブランがそうだっただけかもしれません。でもあの有名なアンジェリーナのモンブランでさえも、やっぱり最後のひとくちまで美味しいと思って食べられなかったのです。

スイーツの本に、有名な「アンジェリーナのモンブラン」と並べて書いてあったことと、天才ピエール・エルメが退屈なモンブランをどんな風に仕上げてくるのか興味があったので、珍しくモンブランを楽しみに買いました。

見た目は普通にモンブランだけど、そこに存在するだけで「ピエール・エルメの世界」が表現されるところがすごいです。

※2016年冬モンブラン・パリ本店(私が初めて食べたモンブランではありません…)

さっそくひとくち目をいただくと…
うわぁ、めっちゃ、美味しい~!(*´▽`*)

上品な「栗の世界」がゆっくり広がっていきます。まるで栗の木の下でモンブランを食べながらティータイムを楽しんでいるような気分…栗のクリームと生クリームの分量も、全体の甘さもすべて完璧!

そして問題の「飽きてくる」タイミングに差しかかると…「きゃぁ~!」
予想外のものが突然、現れました!

なに、これ~!やられた~!
さすがピエール・エルメ、モンブランを知り尽くしている~!!!

なんと、モンブランに飽きてくる絶妙なタイミングで現れたのは、モンブランを味変させる「魔法のソース」でした。この予想だにしなかった魔法のソースの出現に、バニラタルトの時とはまた違う「衝撃」を受けました!

ケーキの底から現れたのはラズベリーのような、クランベリーのような、甘酸っぱい赤い果実のソース、ネットで調べたら公式HPには「野ばらの実のコンポート」と書いてありました。

パリで聞いた時は日本にない果実(名前、忘れました…)と言われ、そっか、だから初めて食べた味だったんだ…と思ったのは覚えているのですが、そもそも「野ばらの実」なんて見たこともないし食べたこともない、人生初めての味です。

退屈なモンブランに寄り添う可憐で爽やかな野ばらの実のコンポート…このアイデアはどこから?そしてお互いの味を引き立てあう絶妙な配分量、どうやったらこんなに完璧な「味」の計算ができるの?

ほんのり甘く酸味の効いた果実が加わることで「退屈なモンブラン」が「爽やかなモンブラン」へと格上げされ、想像をはるかに超える美味しさにひとりで感動しながら、最後のひとくちまで「飽きることなく」いただきました。この時のモンブランが今でも忘れられません。

正直、もう他のモンブランが食べられなくなるくらい…絶品でした!

この日以来、サンシュルピス教会に面したカフェ・マリーの二階の「窓際の席」がお気に入りの指定席になり、教会と公園を眺めながらピエール・エルメのケーキを食べるのが「贅沢なパリの休日の過ごし方」になりました。

※お皿の絵柄どれも同じ、カフェ・マリーのお皿です

こんなに美味しい絶品モンブランですが、作っている量が少ないのか、いつからか週末限定販売になり、数年前からは作られなくなりました。

ここ数年パリの本店へ行く度に「今年はモンブランを作っていません」と言われるようになり、そのたびに「ピエール・エルメさんにお伝えしてもらえませんか?あの美味しいモンブランをもう一度、作ってくださいって」とお願いして帰ってきます。

日本で食べるピエール・エルメのモンブラン

モンブランを食べてみたい方、公式HPには期間限定でモンブランが載っていましたが、いつまであるかわかりません。店舗によっては取り扱っていないお店もあるので、事前に確認した方がいいと思います。

数日前のインスタで見つけた「パークハイアット ニセコ」のピエール・エルメの写真にはモンブランが写っていました。イスパハンもバニラタルトも…品揃えが充実していて、行ってみたいなと思いました。

※2020年1月 パリ本店

初めて食べた時のモンブランの写真がなくて残念です。そもそも初めて食べたのがいつだったのかもはっきり覚えていませんが…多分10年くらい前?だと思います。

今では「幻」になってしまったモンブランですが、ネットで日本でも食べられると知り、2~3年前にリッツカールトン京都にあるピエール・エルメのお店へ行きました。

確か定番のモンブランがなく、カシスのモンブランとバニラタルトを注文したと思います。数年ぶりにモンブランが食べられる~!と嬉しさで心ウキウキしながら食べたのですが…

※いつ撮影したか不明…カシスのモンブラン(パリ本店)

……???
日本で食べるピエール・エルメのモンブラン、美味しいけど…??
何かが違う…

なんだろう?
パリで食べるモンブランとは何かが違う。
味?全体のバランス?うまく言えないけど、何かが違う。
ひょっとして日本人好みにアレンジしている??

ピエール・エルメの、あの「完璧に計算された味」ではありませんでした

パリで食べた「カシスのモンブラン」も絶品だったのに、何か違和感をかんじる「日本のモンブラン」

とくに気になったのがメレンゲ
ピエール・エルメのモンブランは、マロン、メレンゲ、クリームが三位一体となって「栗の世界」へ連れて行ってくれるのに、日本で食べたモンブランはそのバランスが「微妙」に崩れてメレンゲが「ここにいる」と自己主張、結果「ピエール・エルメの栗の世界」へ行くことができませんでした…

これは私が持っている「スイーツの世界観」の話ですが…

次にバニラタルトを食べましたが、こちらはパリと同じ味で、いつもと変わらない絶品バニラタルトでした。なぜ、モンブランだけが「普通のモンブラン」になったのか?いまだに謎です…

このことがあって、しばらく日本のピエール・エルメのお店でモンブランを食べませんでした。でも先日、久しぶりにリッツカールトン京都へ足を運びました、モンブランを食べに!

公式HPで、ピエール・エルメが14歳の時に師事したフランス菓子界の巨匠「ガストン・ルノートル」に畏敬の念(オマージュ) を示し、師が作っていたマロンと洋ナシのアイスクリームの味を元に作ったオマージュ・スイーツを期間限定で販売する…というのを見つけたからです。

マロンと洋ナシのオマージュシリーズの中に「オマージュ・モンブラン」があり、どんな味か食べてみたくなったのです。

前回「日本のモンブラン」にちょっとショックを受けてしまいましたが、ピエール・エルメが熱い思いを込めたオマージュ・シリーズだから、今度こそはと期待に胸を弾ませてリッツカールトン京都へ行きました。

でも…リッツカールトン京都のお店では、そもそもモンブランの取り扱いがないとの事で食べられませんでした…(涙)

夕方に行ったのでケーキが残り少なく、オマージュシリーズではシュー・オマージュ(シュークリーム)が残り1個と言われたので、それとキャレマンショコラを注文。ショーケースに最後の1個になった「イスパハン」があって気になったのですが…どう見てもパリのより小さい!

※2020年11月 リッツカールトン京都

これは全体的に言えることですが、日本人サイズにしているのか、コストの関係かわかりませんが、どのケーキもパリのケーキより「なんとなく小さい」です。小さくする時に微妙に「味の計算」が狂ってしまったのかもしれません…

久しぶりに食べたピエール・エルメのケーキのお味は…
「ピエール・エルメのスイーツの世界」を旅しながら、最後のひとくちまで美味しくいただきました!やっぱり、ピエール・エルメ、最高です!

次はパリのボナパルト通りにある本店へ行きたい!

こんなに書いたのに、まだまだ書き足りないです…

ピエール・エルメのお店では、一年中置いている「定番商品」と、その季節に合わせた「期間限定商品」の二種類があります。

バニラタルトは定番なので、いつ行っても買えます。定番のミルフィーユも絶品です。結局どれもみんな美味しいです。前編でフランソワが言った「全部、美味しい」は本当でした。みなさんも機会があれば、ぜひ、ピエール・エルメのスイーツを味わってみて下さい!

※2019年4月 リッツカールトン京都

フランソワはその後、日本のお店に転勤になったとパリ本店を去っていき…それ以来会っていないです。フランソワが勧めてくれたトリュフとヘーゼルナッツのマカロン、あれも初めて食べた味でした。

トリュフといえば、パスタやリゾットの上にスライスして香りを楽しみながら食べるぐらいしか思いつかなかったのに、それをどうやってスイーツにアレンジするのか?全く想像ができませんでした。

マカロンから漂うトリュフの香り…それだけでも頭が混乱気味(笑)

ひとくち食べると…トリュフの香りにふわっと包み込まれ、でも口の中でヘーゼルナッツの世界が広がり、まるで「木漏れ日が美しいトリュフとヘーゼルナッツの森の中を散歩」しているような不思議な味でした。

トリュフのマカロンが作り出す「不思議な木漏れ日の森」に行きたくて、お店で見つけると毎回買ってしまいます(笑)

辻仁成さんとのインタビューの中にピエール・エルメの「完璧な計算」のヒントが2つありました。それが「サヴール(風味)」と「サヴール(風味)の組み合わせ」です。

素材が持つ「風味」をピエール・エルメ自身の味覚で極限まで突きつめて「完璧な味」にする、これがあのバニラタルトを生み出しました。次に風味の「組み合わせ」を見つけること、神様しか思いつかないような独創的な組み合わせで誕生したのが、ピエール・エルメの代表作イスパハンです。

インタビューの最後にピエール・エルメは「料理というのはお菓子より創造性も少ないし、シンプルですから」と言っています。私は逆だと思いました。料理の方が使える食材も調味料も多いし、アレンジは無限大…でも、その時にはっと気づきました

私の中で「これは料理…」「これはスイーツ…」と、使う材料も調味料もだいたい決まっています。だからピエール・エルメがわさびや白みそをスイーツに使うと聞いた時に「え~」と思ったのです。でもピエール・エルメにとってはどの食材も、すべてスイーツに使えるものなのです!

素材に対する固定観念を捨て、ひたすら素材の「サヴール」を追求し、サヴールを「最大限に生かす組み合わせ」を独創する、だから誰も考えつかないスイーツを生み出せるのです!

いつだったか「アスパラガスのマカロン」を販売していた時に、お店に人が「ピエール・エルメは野菜もスイーツに取り入れるのです」と言ったことにビックリしたのを覚えています(笑)

今後、どんな新しいスイーツが誕生するのか、とても楽しみです!

コロナが増えてきて旅行を控えようかなという方、ぜひ、ピエール・エルメのスイーツを買ってプチ贅沢を楽しんでみてください。

一口食べれば、今まで見たことも行ったこともない「ピエール・エルメのスイーツの世界」へ旅できます。そこには驚きや発見、感動、幸せ、満足感…が待っています!

ただ、あれもこれもと一気に食べると味が混ざってケーキの良さがわからなくなるので、一回に1個ずつ、美味しい紅茶と一緒にじっくり味わって食べることをお勧めします。

偶然見つけた一冊の本から始まったピエール・エルメとの出会い…
パリ スィーツの話」の中で、アンジェリーナのモンブランと並べてピエール・エルメのモンブランを紹介したライター加納雪乃さんに感謝です。きっと彼女も素晴らしい味覚の持ち主だと思います(^^)

今はネットで何でも情報収集できますが、たまには「一冊の本」を手に取ってみてください。本を書くというのは、ネットで情報発信するのとは全然違う、書き手の気持ちがたくさん込められています。その気持ちを受け取ったなら、その先に「特別な出会い」が待っているかもしれません…

【前編】をまだ読んでいない方はこちら!

 

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コメント

  1. pocoapoco より:

    ピエールエルメのモンブランがパリで食べられて良かったですね。
    途中で飽きがくる味と感じられる所を工夫したピエールエルメはすごいです。
    冒頭にあった「寄せ鍋つゆ コクだし醤油」もすごく気になります。
    ふだんポン酢しか使ったことなかったので、鍋に変化と美味しさを
    プラスできたら素敵ですね。いいおすすめをありがとうございます。

    • aotearoa aotearoa より:

      モンブランも素晴らしかったです。
      まさか、途中で味変させるなんて思っても見なかったです(笑)
      まさに、天才です!
      いろんなモンブランがありますが、私は普通のモンブランが一番好きです。
      やっぱり、あの時の衝撃が忘れられないので…

      私も味ぽんで食べるの好きなんですが、弟夫婦たちと鍋した時にすぐに味ぽんがなくなって(笑)
      それで趣向をかえて鍋つゆをつかってみました。
      色々試した結果、今のところキッコーマンの「鍋つゆ、コクだし醤油」がNO.1です!

      鍋に具材を入れ、鍋つゆを入れます。少しずつ水を足しながら好みの味に薄めていきます。
      最初はちょっと濃いめにします、野菜などから水分が出るので。
      薄いなと思えば鍋つゆを足せばOK!火を通すと、鍋つゆがもっと美味しくなります!

      豚バラ大根は土鍋で作ります。最初に鍋つゆ、水、大根を入れてアルミホイルで落し蓋をして約20分煮込みます。
      その後片栗粉をまぶした豚バラ(厚めの方が美味しい)を大根の上に並べ、アルミホイルで落し蓋をして10-15分煮ます。
      一度冷ますと、大根に味がしみて、めっちゃ美味しくなります!

      ぜひ、キッコーマンの鍋つゆ、使ってみて下さい!
      また美味しい鍋のもとを見つけたら、紹介します(^^)

  2. RUMI より:

    イスパハンは確かに、、お菓子の香水ですね。ピエールエルメさん.とらやさんコラボの羊羹、ミスタードーナッツのコラボ、みんな食べましたよ。
    見た目も可愛いしウキウキしますね

    • aotearoa aotearoa より:

      日本以外の国でもこんなにコラボしているのでしょうか?
      きっと1号店を出した国だからかな?
      SNSや友達からの情報で、買える時は買って食べています。
      パリへ行けない今は小さな楽しみです!