建築界のピカソ、坂茂さんが手掛けた「禅坊靖寧」へ!
みなさん、こんにちは!アオテアロアです!
今年の夏、よく食べたものはありますか?
私はスイカとゴーヤをよく食べました。スイカは丸いまま買ってきて、よーく冷やして食べると最高に美味しいです。スイカをポンポンと指で叩いて、その音を聞いて甘いスイカを選ぶのですが、甘かったり、イマイチだったり…スイカ選びを極めるには、まだまだ修業が必要です(笑)
ゴーヤはそんなに好きではなかったのですが、たくさん頂いたのでいろんな調理法を研究し、最終的に行きついたのがゴーヤの揚げ焼きです。味付けはいろいろですが、ゴーヤに片栗粉をまぶして多めに油を引いたフライパンで両面を焼きます。これが美味しすぎて、ほぼ毎日食べています。お酒のつまみにもちょうどいいので、ぜひ作ってみて下さい!
お酒といえば、この時期に飲みたくなるのが「シュトルム」です。
オーストリアやドイツで9月頃に出回る発酵途中のワインで、ぶどうジュースとワインの中間の飲み物です。微炭酸、微アルコール、一度飲んだら忘れられない「季節の飲み物」です。詳しいお話はこちらから!
では早速、前編の続きに入りたいと思います!
会社からメールが来なければ、その存在すら知らなかった「禅坊靖寧」、読み方は「ぜんぼうせいねい」、ちょっと難しいかもしれませんが、一字一字に込められた思いが伝わってきます。
淡路島の森の中に浮かぶように建てられ、360度、自然を感じることができます。建築を手掛けたのは世界的にも有名な建築家、坂茂さんです。私の大好きなニュージーランドにも坂茂さんが手掛けた建物があります。南島のクライストチャーチにある、紙パイプでできたカテドラル(大聖堂)です。
紙といっても私たちが想像する紙ではなく、防水や燃えにくい加工をした特殊な紙パイプで、耐久性が高く約50年は問題ないそうです。最初、この話を聞いた時は「紙パイプで教会を建てられるの?」と思いましたが、これが結構頑丈で美しく、ちょっとやそっとのことではビクともしません。
※十字架も紙パイプです
そんな坂茂さんが建築をされたということで、楽しみが倍増!バスは三宮を出発した後、明石海峡大橋を渡って淡路島へ!30分かからなかったと思います。あっという間に「禅坊靖寧」に到着!バスを降りて最初に目についたのが下の写真です。
世界のいろんな建築物を見るたびに、建築家ってすごいなぁ~って思います。
その場所や空間、空気、環境、色彩、人々の想い…いろんなものを「ゼロ」から造り上げる創造力!
この禅坊靖寧もこの場所にピッタリの建物でした。真正面?から見たら、屋根と階段しか見えません。一見すると小さな建物のように見えますが、斜め横から見ると屋根のついた細長い建物。なんとなく、ノアの方舟のような感じがしました。
中に入るとスタッフの方から、空いている席に座るよう促されました。私が座ったテーブルには私の他に2人の女性が腰掛けました。同じテーブルに座ったので軽く挨拶をした後、誰からともなく会話が始まりました。
彼女たちも一人参加でした。一人参加同士、話が合い、おしゃべりを楽しみながらウェルカムドリンクを頂きました。過去のツアーの一人参加のお客様も、こういう感じだったのかな…などと思いながら(笑)
メモをしていないので細かなことは忘れてしまいましたが、確かほうじ茶だったと思います。お茶請けにはナッツと、梅が入った熟成味噌が添えられていました。このお味噌が美味しくて、販売はしていないけど、使っている材料はこれですと教えてくれました。
その後、施設の説明を受け、参加料金の精算を済ませたら部屋へ案内されました。精算を待つ間、小さな売店の商品をいろいろチェック。オーガニックにこだわった肌触りの優しいハンカチ・タオル、アロマオイルなどが並んでいました。
半日滞在ですが一人参加の方は一人部屋、二人参加の方は二人部屋の鍵をもらい、そこに荷物を置いたり、着替えをしたり、リラックスするために部屋を使います。ところが部屋が並んでいる廊下で鍵を配っている時にハプニングが!なんと、部屋の鍵が足りなくなったのです!
職業柄、気になったことがありました。普通なら「〇〇様、〇〇号室のお部屋です!」と言って鍵をお渡しするのですが、ここのスタッフは、名前を確認せず、一人参加=一人部屋、二人参加=二人部屋の鍵を渡していたので、誰がどこの部屋に入ったかを確認していませんでした。どうも二人参加の人に一人部屋の鍵をそれぞれ渡してしまったようです。
でも先に鍵を受け取った人たちは、もう部屋に入ってしまい呼び戻すことができず、この後どうするのかな…と静かに見ていたら「あの…お部屋が足りなくなりました、どなたかお部屋をシェアして頂けないでしょうか?」私がこのツアーの添乗員だったら違う対応をしたと思いますが、ここは何も言わずだまっていました。
すると、先ほどテーブルでご一緒した女性が「もし良ければ、私たちでお部屋をシェアしませんか?」と声をかけてこられました。
突然の申し出にちょっとビックリしましたが、初対面の私に声をかけるのは勇気がいったと思うし、困っている人に対してできることをしてあげたいという、この方の優しいお気持ちに心を動かされ「はい、よろしくお願いします」と返事をしました。
この時、だまって見ているだけではなく、本当は私から「お部屋のシェアをしませんか?」と、声をかけることができたらよかったとのにと思いました。次回からは、同じようなことがあった時は自分から声をかけられるよう、彼女の行動を見習いたいと思いました。
思い起こせば、私が添乗で困った時に助けてくれたお客様が、過去にたくさんいらっしゃいました。困っているのを察して声をかけてくれたお客様は、みんな彼女のように親切で勇気のある方たちだったんだと改めて感謝しました。
部屋が用意できないことに対して苦情を言うのは簡単です。でもせっかくリトリート体験をしに来たのに、出だしからマイナスの感情で始めるのは私にとってもスタッフにとっても良いことではありません。ひょっとしたら、これはなにかの試練かも?救いの手を差し伸べてくれたお客様に改めて感謝もできたし、物は考えよう、これもなにかのご縁、スタッフから二人部屋の鍵を受け取りました。
この施設の部屋には番号ではなく、禅の精神に通ずる言葉が部屋の名前に使われていました。私たちが受け取った部屋の名前は…「一期一会」
偶然にも今、この瞬間をそのまま言葉にしたものでした。袈裟を着た男性が側に立っていて、私たちに一期一会の意味を教えてくれました。
「一期一会というのは、ただ人との出会いのことを言うだけではありません。この瞬間に出会うもの全てが一期一会です。このハプニングも、お二人の出会いも、この部屋との出会いも…」もっといろいろお話をして下さいましたが全部を思い出せないので、一番印象に残ったひと言を紹介させていただきました。
私たちは一緒に部屋に入り、お互いに自己紹介をしてから着替えをしました。初めて合った人の前で着替えをするというのは、バスに乗った時には全く想像もしていませんでした。これが旅なのだな~と思うと、突然のハプニングも楽しくなってきました(笑)
ZEN Wellness
その後は配られたスケジュール通りに進んでいきました。このスケジュールを見た時に、部屋でゆっくり過ごす時間はそんなにないだろうなと思いました。時間が読めてしまうのは職業病でしょうか?
お客様(私もですが)の行動が読めてしまうので、みんなが部屋の写真を一所懸命撮影している間に、先回りして屋上の瞑想場所へ行きました。まだ誰も来ていなかったので、パンフレットのような写真が撮れました(笑)
人が集まってきたら、スタッフの方が「好きなイスに座ってください」と声をかけてきました。私も近くの空いているイスに腰掛けました。座ってみたら座り心地が悪くてヘンな形のイスだなと思っていたら、座り方を間違えていました(笑)
正しい座り方を教えてもらい座り直すと、なんとリラックスできること!
瞑想するために人工学的に計算してデザインされた特別なイスだそうで、体に負担がかからない姿勢が取りやすく、ジャストフィットの場所を見つけたら、座っているだけですぐに瞑想の世界に入れそうでした(笑)
【ZEN Wellness(yoga&meditation)】
ネパールから来たビラル先生が今日のヨガと瞑想を担当してくださいました。
先生のお話を聞きながら、言われる通りに呼吸を繰り返していきます。吸って…吐いて…心を無にして瞑想の世界へ…
でも、普段から瞑想なんてしたことのない私には、なかなか「無」の状態になれなくて、いろいろ考えてしまう心を、ただただ呼吸に集中させることは難しかったです(笑)
しばらく呼吸を繰り返した後、簡単なヨガのポーズで体を優しく動かし、最後は「屍のポーズ(死体になりきるヨガのポーズ)」をして、頑張って先生の声に集中し、自分の呼吸に心を合わせていきました。すると、虫や鳥の鳴き声、風の音がす~っと入ってきました。体が自然に溶け込んでいくような感じで…
そうだったのか、だからこの建物は森と空のあいだに建てられたんだ!高すぎず、低すぎず、空と森の中間に!先生の言葉の通りに意識を飛ばすと、まるで本当に空中に浮いているかのよう…
これがリトリートなんだ…
自然のパワーを全身で感じられるようにと、窓を作らずオープンエリアにし、天井にも床にも木を使い、イスも小さいサイドテーブルも木と同じ色にすることで、自然と一体化した空間を造り出す…この縦長の長さも幅も広すぎず狭すぎず、瞑想するのにちょうどいい、リトリートするのには最高の場所です。
【禅坊料理】
静かに瞑想とヨガを終え、少し休憩をはさんでランチタイム。時間になったらさきほどの席に戻り、料理長から料理の説明を受けました。私は料理が好きなので興味津々、こちらがその時のお料理です。
見た目も華やかで、自然の恵みをそのまま食事にした内容で、油、砂糖、乳製品、小麦粉、動物性食品を一切使用しないで作られています。一番のこだわりは調味料。1年から3年をかけて作られた醸造調味料を使用、どれも発酵が止まっていない「生きている」調味料です。
私は味噌も梅干しも手作りするので、調味料にこだわる意味が良くわかります。どのお料理も、ひとくち、ひとくち、ゆっくりと噛みしめて味わうと、素材本来の味が口の中に広がり「あぁ、美味しい、幸せ!」と思わせるものばかりでした。
砂糖と油を使わなくても、物足りなさを感じさせない美味しい料理ができることに、ちょっと驚きました。地元産の新鮮な野菜をふんだんに使い、日本古来の発酵食品と組み合わせて作られたお料理は「五感に贅沢な食事」でした!
【ZEN茶】
食事の後はお茶をたてました。普段、お茶をたてることなどほとんどないので、上手くできているのかもよくわかりませんでした(笑)でもスタッフに教わった通りにやってみたら、だんだんと泡がでてきて、お茶っぽく?なりました。
お茶のマナーがどうこうではなく、ただただ無心にお茶を点てる。
自分で点てたお茶を、目の前に広がる森と空をみながら、心穏やかに、静かにいただく…
ただ、それだけのことでしたが、私にとっては非日常の贅沢な時間…
添えられたお茶菓子も砂糖不使用。お互いの味を引き出す相乗効果で、お茶もお菓子も上品なお味に完成。
自分のために自分でお茶を点てる…
自分に感謝しながら点てるお茶には、自分の心が反映されているように感じました。
自分のために何かするって良いことだなと、改めて思いました。
【ZEN書】
ランチとお茶の後から午後の瞑想の時間までは自由時間でした。本来ならこのタイミングで書写をするのですが、そんなにたくさん時間がありませんでした。スタッフの説明では、書写をしてもいいし、散歩をしてもいいし、瞑想してリラックスしてもいいし、施設内を自由に歩き回ってもいいということだったので、各々が好きなように過ごしました。
ウエルカムドリンクでご一緒した方たちとゆっくりと食事をして、お茶を楽しんでいたら、あっという間に時間がたってしまいました。お話がとても楽しかったので、書写は持ち帰ることにしました。
【ZEN香】
午後の瞑想に戻ってきたら、イスの横の小テーブルに、香りがついたヒノキチップが入った袋が置かれていました。
先生「香りを五感で感じ取ります。本日はラベンダーの香りです。香りを体に取り込みながら、今のこの感覚、空間、自然の音、呼吸…今、感じているもの全てを記憶に刻み込んで持って帰って下さい。そうすれば、またこの香りをかいだ時に、今の感覚がよみがえります」
私はラベンダーの香りをかいだ時に、ある港町を思い出しました。クロアチアのロヴィニ。この町を訪れた時にラベンダーのお店を見つけました。ラベンダーの優しい香りが添乗で疲れた心を癒してくれて、自分の分だけではなく、友人たちの分までラベンダーグッズをたくさん買って帰りました。あの時に買ったラベンダーの香袋を今でもタンスに入れて使っています(入れっぱなし笑)
※ロヴィニのラベンダー屋さん
禅坊靖寧の香りには、ラベンダーの香りに檜の香りも加わるので、あの時と香りが似ているけど同じ香りではないです。そんな微妙な違いもかぎわけながら、今日のこの瞬間を記憶に刻み込んでいきました。
【ZEN Wellness(meditation)30分】
午前の時と同じように呼吸から入ります。目を閉じて、先生の声に合わせて、息を吸って…吐いて…もう2度と訪れないこの瞬間に溶け込んでいくように、呼吸に意識を集中して無の世界へ…
いこうとすると、このイス、本当に瞑想にするのには最高だわ!とか、さっきの食事のあの味付け、どうやったらマネできるのかな?とか、だんだん集中から気がそれてしまう自分に、まだまだ修行が足りないなと(笑)
気がそれたら、また呼吸に意識を集中…今ここでこうして瞑想できることに感謝をして、呼吸に集中…最後は瞑想が終わる合図の鐘がなるまで、心静かにすることができました!
こうして、非日常の場所で、ゆったりリトリート体験をすることができました。しかし、チェックアウトの15時まで、残された時間は15分!急いで着替えて、トイレも行って、出口で写真も撮って、バスに乗りこんだら15時ジャストでした(汗)
次回は半日ではなく1泊して、もっとゆっくり過ごしたいなと思いました。
帰りの道中
禅坊靖寧を出発した後は、クラフトサーカスでお買い物タイム。
※クラフトサーカスのハートの橋
ここでツアーの時間調整をして、また三宮に戻り解散…おつかれさまでした!
あっという間の半日ツアーでしたが、とても満たされた時間でした!
ヨーロッパ添乗中にお客様から時々「ショッピングの時間はいらないから、もっと観光がしたかった」と言われたことを思い出しました。でもツアーというものは、いろんなものが絡んでいるのです。募集のスケジュールに「ショッピング」と書いてあれば、よっぽどの事情がない限り行かなければならないのです。
この苦情?の対策をいろいろ考えて、お客様がお店に行ったら買い物がしたくなるように、お客様の心を揺さぶる?マイクトークでお店の宣伝をするようにしました。マイクトークのスキルが上がってきたら、ショッピングの時間はいらないというお客様はいなくなりました(笑)みんなにとってWin-Winにすることができました!
家に帰ってからも、しばらくはリトリート効果が続いているような気がしました。
よし、毎晩、あの時に習った呼吸をして寝よう!と思ったものの、やはり三日坊主で終わってしまいました…
何事も「習慣にする」ことは簡単ではないです。
そんな私が今年の2月ごろから習慣にして続けていることがあります。
それは…「Apple Watchのリング」を完成させることです。毎日の積み重ねが目に見えるので、このリングを完成させないと眠れないです(笑)あまり動かない日は意識して体を動かすようになりました。健康にはとても良いと思います。
禅に通ずる四文字熟語
今回のリトリートな1日を言葉にするなら、ずばり「一期一会」です。
たった四文字で奥深い意味のあることを表現する四文字熟語って、すごい言葉だと思いませんか?
※禅坊靖寧の入口に飾られている「気」
いつだったか、小学生のクラスに入った時に男の子が「この漢字、読める?」と聞いてきました。
その漢字というのが四文字熟語で「盲亀浮木」でした。
私はこれを見た瞬間、ココロの中で(これって四文字熟語?見たことないなぁ…日本語?中国語?なんて読むんだろう?間違えたら笑われるだろうな…意味もさっぱりわからない…)と、ひとりごとをつぶやいてしまいました。
みなさんはこの「盲亀浮木(もうきふぼく)」という言葉をご存知ですか?
1本の木の棒が広い海を漂っていました。その木の棒には穴がひとつ空いていました。海には目の見えない亀が一匹、住んでいました。その亀は100年に一度だけ海面に浮かんできて頭を出すのですが、この亀が広い海に漂っている木の棒の穴に頭を入れる確率は果たしてどれくらいでしょうか…ないに等しいくらいの確率です。
人間として生まれてくるということは、この盲亀が浮木の穴に頭を入れることより難しい、つまり人間に生まれるというこがどれだけすごい奇跡かというのを表現しています。
斎藤一人さんの本に「あなたを産んでくれた親が人間だったから、あなたは人間なんだよ」という言葉がありました。これは盲亀浮木に通じていると思います。どちらの言葉も、奥深い意味が込められているなと思いました。
この盲亀浮木の言葉に出会った時「一期一会」の言葉が頭に浮かびました。今の仕事に就かなければ、一生出会うことがなかったであろう盲亀浮木、不思議な縁を感じた言葉でした。
もし、また禅坊靖寧へ行くことがあったなら、次はどんな言葉の部屋に当たるのかな?と、また行ける日を楽しみにしています。
みなさんもご縁があればぜひ「禅坊靖寧」で、
五感を開放して、
自分を開放して、
無になって、
心を自由にして、
自然に耳を傾けて、
リトリート体験を楽しんできてください!
(^^)
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