中世の宝石箱ローテンブルク!ドイツのロマンチック街道で一番かわいい町!

マルクト広場、塔より ドイツ

ドイツ旅行するなら、一番最初はロマンチック街道へ!

みなさん、こんにちは!アオテアロアです!

ゴールデンウィークが終わり、いつもの仕事に戻った方もいれば、休業が続く方もいるかと思います。世界では少しずつ経済活動を再開していますが、海外旅行ができる日はまだまだ遠そうです…
今日は気分転換に散歩に行きました。キレイに咲くガーベラを見つけました!

ガーベラ

忙しい毎日を過ごしていた時は、道端やどこかのお庭に咲いている花に目が留まることもなかったですが、こうして毎日ゆっくり過ごすといろんなものが見えてきます。

昨日、所用で市役所へ行きました。用事を済ませた後、市役所の人に「10万円の給付金の申請はどこですればいいですか?」と尋ねると「まだ申請の受付はしていないです…郵送で書類が届きますからお待ちください」との返答、いつ郵送するかもまだ決まっていないとのこと…

諸外国では給付金の配布は迅速に行われ、ドイツではオンライン申請をした2日後にはお金が振り込まれたと話題になっていました。
このコロナ対策では「女性リーダー」の国がコロナを上手く抑え込んだと評価されています。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダン首相、台湾の蔡英文総統…他にもまだまだいますが、いざという時は女性の方が決断力があるのかもしれません。

給付金の支給も緊急事態宣言の緩和も一番早かったドイツには、日本人に大人気の観光地がたくさんあります。

その中でも一番人気があるのが白く美しい「ノイシュバンシュタイン城」で、ロマンチック街道を南下した終点にあります。

ノイシュバンシュタイン城

ノイシュバンシュタイン城と並んで人気があるのが中世の宝石箱と呼ばれる「ローテンブルク」です。今回は美しいローテンブルクをご紹介したいと思います。

日本からドイツまでは約9,000km、東京、名古屋、関西から直行便が飛んでいます(所要11~12時間)
正式名称はドイツ連邦共和国、面積は約35万7000km2、日本とドイツはほぼ同じ大きさです。人口約8,315万人(日本の人口1億2596万人)首都はベルリン、民族はゲルマン系を主体とするドイツ民族、公用語はドイツ語です。

グーグルマップ ドイツ※参照元:グーグルマップ

ビールやソーセージ、サッカー、高級車などで日本人にも馴染み深い国ドイツですが、ドイツ人はヨーロッパの中では比較的日本人と共通するところがあると言われています。

「勤勉」「時間に正確」「真面目」「規律を守る」など…それもそのはず、日本の近代化と日本陸軍のお手本になった国が「ドイツ」だからです。日本とドイツの話はまたの機会にしたいと思います。

ロマンチック街道と古城街道が交差する町、ローテンブルク!

ドイツにはたくさんの街道がありますが、特に人気があるのは古城街道ロマンチック街道です。

古城街道は1945年に誕生した街道で、最初はネッカー河畔のマンハイムからフランケン地方のニュルンベルクまでの約300kmでしたが、1989年「ベルリンの壁」崩壊後、1994年にチェコのプラハまで延長されて約1,000kmの大街道になりました。約90の古城が街道に点在しています。

ハイデルベルク城※古城街道にあるハイデルベルク城

ロマンチック街道は1950年に誕生した街道で、北はマイン河畔の古都ヴュルツブルクからアルプス山麓のフュッセンまでの約400km、20以上の村や町が点在し、その中でも最も人気があるのが、古城街道とロマンチック街道が交差する「中世の宝石箱・ローテンブルク」です。

ロマンチック街道マップ大712/1280

※参照元:ロマンチック街道観光協会ロードマップ

ロマンチック街道はドイツで一番有名な観光地で、ここを訪れる外国人観光客では日本人旅行者は常に上位、その証拠に道端にある街道の看板には日本語で「ロマンチック街道」と書かれています。

名前の由来は諸説ありますが18世紀~19世紀の近代的な合理化主義に対して、個人の感受性や想像力で失われた中世の理想や景観などを追い求める「ロマン主義」という言葉から来ていると言われ、ドイツの古いガイドブックには「失われた中世の世界を体験できる街道」と紹介されています。

木組みの家※ローテンブルク 木組みの家

またドナウヴェルトからアルプス山脈を越えてイタリアに続く道は、ヴィア・クラウディア・アウグスタという古代ローマ人がつくった街道なので「ローマ人の道」から名付けられたとも言われています。

10世紀にローテンブルク伯がここに城を建てたのが始まりで、そこからローテンブルクの名前が付けられました。しかし12世紀初めに同家が断絶、その後は皇帝の支配下に置かれ、13世紀に帝国自由都市のひとつになり経済的に発展していきました。

看板と家※ローテンブルク

しばらく繁栄の時代が続いたものの17世紀にはペストの大流行と、ヨーロッパ中を巻き込んだ30年戦争(カトリックとプロテスタントの宗教戦争)に巻き込まれ、町は衰退…その後は人々に忘れ去られてしまいました。

19世紀に入って古びた町並みが歴史家や文学者の目に留まり、全国的に紹介されて多くの観光客が訪れるようになりました。

第二次世界大戦で町の約4割が破壊されたものの、ローテンブルクを愛する世界中の人たちからの寄付が集まり、町並みや城壁が忠実に復元され、現在は「生きた中世の町」と呼ばれるまでに復活しました。

それでは中世の時代にタイムスリップしてみましょう!

小さい町だけど見逃せない見所がたくさんのローテンブルク!塔の上からは絶景!

ローテンブルクの正式名称は「ローテンブルク・オプ・デア・タウバー

ローテンブルク=赤い城、オプ・デア・タウバー=タウバー川の上の方という意味で、街の紋章にも赤い城が描かれています。14世紀の大地震で城が倒壊してしまい、現在は城の一部だった礼拝堂だけがブルク公園に残っています。

タウバー渓谷※タウバー渓谷

町全体は約3.4kmの城壁に囲まれていますが、もともとは直径400mほどの小さな町から始まり、12世紀に築かれた城壁は約1.5kmでした。
町の繁栄と共に人口も増えて狭くなってきたので、最初の城壁を取り壊してさらに町を大きくして14世紀に2度目の城壁が築かれました。

この時に最初に築かれた12世紀の壁は取り壊したものの、いくつかの城門は残されたので、街歩きをしていると見ることができます。15世紀に南に細長く延びた部分が付け足され、現在の形になりました。

町の中は石畳が敷かれ、中世の面影そのままの道です。町の中心にあるのがマルクト広場です。マルクト=マーケット・市場という意味で、昔は町の中心で市が開かれたことから、各町の中心には「マルクト広場」があります。

マルクト広場

マルクト広場には市庁舎(ラートハウス)と市参事宴会館(ラーツヘルンシュトゥーベ)があり、市参事宴会館には仕掛け時計があります。

市参事宴会館の時計を上から見ていくと、日時計、帝国自由都市の象徴「双頭の鷲」、日付けを示す文字盤、時刻を表す時計があります。

11・12・13・14・15、(夏は20・21・22の夜の時間も)各毎時00分に、時計の両側の窓が開いて人形が動きます。

仕掛け時計

この仕掛け時計はローテンブルクで有名な「マイスタートゥルンク」という話を再現しています。

30年戦争の時、プロテスタント側だったローテンブルクの町は、ティリー将軍率いるカトリック軍に包囲され陥落、ティリー将軍はローテンブルクに対して「市長以下、市参事全員死刑、町は焼き払う」と宣告。

この日の夜、市側から極上のフランケンワインでもてなされ、ほろ酔いで上機嫌になったティリー将軍は、接待用の特大ジョッキ(3.25リットル)になみなみとワインを注がせて「これを一気に飲み干せる者がいたら、町を焼き払うのはやめよう」と言いました。そこで名乗りをあげたのが一気飲みの名人ヌッシュ市長でした。町を守るために必死でワインを飲み干し町を救いました。

仕掛けが動く時間になると、左の窓にティリー将軍、右の窓にヌッシュ市長の人形が現れ、この「マイスタートゥルンク」を再現します。また毎年、聖霊降臨祭(5-6月)にマイスタートゥルンク伝説のお祭りがあり、歴史劇としても上演されます。

仕掛け時計を見たら、次は市庁舎の塔に上ってみて下さい!「高い所好き」のおすすめ絶景スポットです!
もう一つ、おすすめの絶景はこちら!

広場に面した市庁舎のアーチの上に「正義の女神像」があり、その下のアーチをくぐって建物の中に入り階段を上っていくと、自動改札機が出てきます。塔に上る階段が狭いので人数制限をしています。ランプが「青」だと改札ゲートが動くのでそのまま進んで下さい。

階段をひたすら上り塔のてっぺんで、やっとチケットの窓口が(汗)

塔のはしご階段最後の階段をよじ登ると…
「わぁお~!」の絶景の世界!!

塔より家並み

美しい中世の町並みを一望できます!城壁内にギュッと詰め込まれた茶色い屋根、緑豊かなタウバー渓谷、町の形もよくわかります!

第三城壁

この絶景は一番おすすめです!ただし人数制限をしているため自動改札前で待たされることがあるので、時間に余裕を持って行ってください。
ここからの眺めの写真を少し加工すると、町がおもちゃみたいに!

インスタジオラマ写真

市庁舎の裏に15世紀に建てられた聖ヤコブ教会があります。町で一番重要なプロテスタント教会で有料ですがぜひ、中に入ってみて下さい。

聖ヤコブ教会

祭壇が二つあり、1階にある中央祭壇は12使徒祭壇とも呼ばれ、15世紀に寄贈された祭壇です。階段を上がって2階へ行くと、有名な彫刻家リーメンシュナイダーが1505年に完成させた「聖血の祭壇」があります。

十字軍遠征の折に聖地エルサレムから持ち帰った「キリストの血」3滴が入ったとされる水晶の容器が、祭壇の上部にある十字架の中心に納められています。そのことから「聖血の祭壇」と呼ばれ、かつてはたくさんの巡礼者が訪れました。

聖ヤコブ教会祭壇

祭壇のメインテーマは「最後の晩餐」で、本当に菩提樹の木を彫ってつくられたとは思えないほど素晴らしい作品です。

最後におすすめするのは、興味がある人とない人にくっきり分かれる「中世犯罪博物館」です。ドイツで唯一の「中世の法律と刑罰に関する博物館」として有名です。

中世の時代は現代のようにテレビも新聞もネットもありません。犯罪を犯した人は捕らえられ、公衆の面前で罰を受けました。

おしゃべり過ぎる女性には大きな耳と舌の長い「恥辱の仮面」を被せて歩かせたり、酒癖の悪い人には酒樽を頭から被せて町中のさらし者にしたり…

犯罪博物館※参照元:ローテンブルク観光サービス

これくらいは笑える範囲ですが、魔女狩りで使われた拷問道具は身の毛もよだつ、想像を絶するものばかり!

針の椅子に座らせて膝の上に重い石を積み上げる拷問や、鉄の靴を履かせて隙間から熱湯を注ぐ拷問…見ただけではどうやって使うかわからない恐ろしい拷問道具がたくさん展示されています。これらを見た時に思ったことは…

「人間がこの世で一番残酷な生き物…」

中世犯罪博物館からさらに南へ進むと有名な写真スポット「プレーンライン」があります。

プレーンライン

二股に分かれる道の真ん中に小さな木組みの家、後ろにあるのはジーバー塔とコーボルツェル門、周りにはかわいい家が立ち並び、人気の写真スポットです!

町中のかわいいカラフルな木組みの家や美しいデザインの看板は、ローテンブルクらしい風景なので、忘れず写真に撮って旅の思い出にしてください。

看板

お土産もいろいろ、宿泊して町歩きすると中世の世界にタイムスリップ!

ローテンブルクは町自体は小さいので十分歩いて観てまわれますが、数時間の滞在だと、観光も買い物も写真も中途半端に終わってしまいます。できれば城壁内のホテルに宿泊してゆっくりすることをお勧めします。

一息ついたら、ローテンブルクの名物「シュネーバル」を探しましょう!
シュネー=雪、バル=ボール、よく「雪の玉」と訳されるローテンブルクの伝統菓子です。

シュネーバル※真ん中の丸いお菓子:シュネーバル

クッキーのような生地を細長いリボン状に切り、それをこぶし大に丸めて揚げたもので、粉砂糖やチョコレートなどでコーティングされています。もともとは結婚式やお祭りのときに食べる特別なものでしたが、今は一年中食べられます。サクサクした触感で美味しく、日持ちもするのでお土産にも人気です。

マルクト広場からブルク公園に延びるヘレンガッセ通りにテディベア専門店とクリスマス用品が一年中買えるお店ケーテ・ウォルファルトがあります。

テディベア専門店では、ぬいぐるみ以外にも絵本や食器など関連グッズが豊富にそろっています。

ケーテ・ウォルファルトは世界で初めて一年中クリスマス用品が買える専門店としてオープンしました。店内にはクリスマス用品がぎっしり並んでいます。

クリスマス店※参照元:ローテンブルク観光サービス

お店の奥にはクリスマスミュージアム(有料€4)も併設されていて、いつ訪れてもクリスマスの夢の世界を楽しめます!

マイスタートゥルンクの話にも出てきた美味しいフランケンワインも、お酒好きな方におすすめです!独特な形のボトルで売られているので、すぐに見つけられます。

フランケン地方で栽培される主に白ブドウから造られるワインで、男性的でキリっとした辛口で有名ですが甘口もあります。
ボックスボイテル=山羊の陰嚢」と呼ばれる独特な丸みを帯びた形のボトルは、18世紀に悪質な偽ワイン業者がつくる劣悪なワインと区別するために採用したのが始まりと言われています。
お店によっては試飲をさせてくれるので、お気に入りのワインをぜひ見つけてください。

時間があれば城壁ウォークも楽しめます!
以前ご紹介したドブロヴニクの城壁とは規模が全然違いますが…

ローテンブルクの城壁は無料で歩くことができます。城壁の所々に、戦後の町の再建に寄付した人たちの名前が刻まれています。レーダー門からシュピタール門の間には、日本人の名前が多く刻まれています。

夜になると夜警ツアーがあります。英語とドイツ語のツアーしかありませんが、中世の時代の夜警を再現し、黒いマント姿の夜警ガイドさんが夜の町を案内してくれます。(有料、所要約1時間)

プレーンライン夜景

夜警ツアーに参加しなくても、夜の町も散歩してみてください。昼間とは違う顔に、本当に中世の時代にタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。

ドイツ旅行へは行けないけど…楽しめます!「日本のロマンチック街道」

ロマンチック街道の中世の町を楽しむ旅も良いですが、残念ながら今はまだ海外へ行くことができません…でもロマンチック街道を旅したい!という方、ぜひ「日本ロマンチック街道」を訪れてみてください。

日本ロマンチック街道は、長野県上田市から群馬県の草津町、沼田市を経て栃木県日光市を結ぶ全長約320kmの街道です。

※ローテンブルク

1982年に当時の草津町観光協会会長が提唱、1987年に協会が設立され、1988年にドイツロマンチック街道協会と姉妹街道を締結し、文化的交流を続けながら未来に残る街道づくりに力を入れています。

「日本ロマンチック街道」のHPに去年のフォトコンテスト写真が掲載されています。日本の美しい風景とドイツのロマンチック街道を思わせる素敵な写真ばかりで、見ていて行きたいなぁと思いました!みなさんも一度、写真をチェックしてみてください!
「日本ロマンチック街道」のHPはここをクリック!

世界がコロナとの共存の模索を始め、まだまだ日々状況が変化し続けていますが、また旅行へ行ける日を楽しみに♪世界中の人たちと力を合わせて、この状況を乗り越えていきたいと思います(^^)

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コメント

  1. HASHIMOTO RUMI より:

    今回のドイツも素晴らしいお写真を沢山ありがとうございました
    個人的には絶景好き
    是非是非ローテンブルクの市庁舎の塔から街を眺めたいと思います。エレベーターが無いようなので足腰を鍛えます。
    自粛でかなり衰えております。

    • aotearoa aotearoa より:

      塔の上からの眺めに感動して、その写真がほとんどで、他の写真を全然撮ってなかったです(笑)
      古い階段を上って行きます。何段か忘れましたが塔の高さは60mなのでピサの斜塔と同じくらいです。
      最後のはしごのような階段、上りきってから這いつくばって展望台なので結構大変ですがぜひ、チャレンジしてみて下さい!
      私も運動不足解消のため、散歩or自転車に乗って毎日5kmがんばってます!

  2. pocoapoco より:

    ローテンブルグの素敵な魅力が詰まったブログでまた行きたくなりました。
    雪玉の写真が美味しそうですね。フランケンワインも大好きです。
    夜警ツアーの幻想的な写真は、本当に昼間と雰囲気が違ってて素敵です。

    • aotearoa aotearoa より:

      ローテンブルクはお祭りの時やクリスマスの時に行っても、また違った雰囲気が楽しめます!
      雪玉…揚げているので、結構高カロリーかもしれません(笑)フランケンワインも美味しいですよね!
      ぜひ、また機会があれば訪れてみてください!