オランダ、驚きの海抜ゼロメートル以下の国!
みなさん、こんにちは!アオテアロアです!
コロナウィルスの影響で外出自粛が続いていますが、元気でお過ごしでしょうか?
桜もそろそろ終わりを迎えます…花は無言で人々の心を癒してくれるので、今回はチューリップをご紹介したいと思います!
※キューケンホフ公園
チューリップで有名な国といえばオランダです!
日本からオランダまでは約9200km、KLMオランダ航空の直行便で首都アムステルダムまでは約11~12時間のフライトです。
面積は4万1528km2、九州と同じくらいの広さで、人口は約1721万人、公用語はオランダ語、首都はアムステルダムですが政治の中心はデン・ハーグです。
私たちは普通に「オランダ」と呼んでいますが、実は正式名称はKingdom of the Netherlands(ネーデルラント王国)です。
オランダの国名ネーデルラントは“低い土地”という意味で、なんと国土の約25%が海抜ゼロメートル以下という、世界でも珍しい国です。
ちなみに空の玄関口、アムステルダムのスキポール空港は海抜マイナス4mです!
※スキポール空港
そのため、オランダにはたくさんの橋や水路、ダムや水門、防波堤など、海から土地を守るための施設が数多くあります。
オランダで有名なものはチューリップだけではありません。のどかな風車の風景や「デルフトブルー」と呼ばれる白地に美しい青色の絵付けを施したデルフト焼き、世界的に人気のウサギのキャラクター「ミッフィー」が誕生したのもオランダです!
※デルフト焼
また小さい国ながらも農産物輸出量は世界第2位、チーズ生産国としても有名で、ゴーダやエダムといったチーズは世界中で消費されています。
オランダの正式名称は??
オランダの正式名称はKingdom of the Netherlands(ネーデルラント王国)ですが、今年に入って国名に関する新しい決定事項がありました。
というのもオランダはNetherlandsとHollandという二つの呼び名があります。
●Hollandはアムステルダムやロッテルダムなどの大都市があるホラント州(現在の北ホラント州と南ホラント州の2州)を指す言葉
●Netherlandsは国全体(オランダ全12州)を指す言葉
Hollandという名前が伝わった当時、現在の北ホラント・南ホラント州がオランダ全体の経済に大きく貢献していたので、諸外国の間でHollandがオランダ全体をあらわす言葉として使われ、それが今も残っています。
日本での呼び方は、ポルトガルの宣教師がオランダのことをポルトガル語の「Hollandaホランダ」と伝えたことから、オランダが定着しました。
・オランダ語 Nederlandネーデルラント
・英語 Hollandホランド、またはthe Netherlandsザ・ネザーランズ
・日本語 オランダ
今までなんとなく両方の名前を使っていましたが、区切りのいい2020年1月から正式な国名「Netherlands」を定着させて国際的なイメージチェンジをしようと、2019年11月には、20万ユーロ(約2400万円)かけて製作した新しいロゴも発表しました。
今年の1月からは、企業、大使館、省庁、大学では「Netherlands」しか使えなくなるそうで、もしこれが本当に実行されたら…東京オリンピックでは「オランダ代表」ではなく「ネーデルラント代表」??
どちらの名前が使われるのか?今のところはわかりませんが、ちなみに4/15現在、日本外務省のHPには「オランダ王国」と記載されています…
コロナで忙しくて変更していないのでしょうか?
オランダ風車と運河が絵画のよう!キンデルダイク!
「世界は神が創ったが、オランダはオランダ人が作った」という言葉があります。
国土の約25%が海抜0メートル以下のオランダですが、これらの土地は干拓によって作られたものです。
国土の大部分が海抜1〜2メートルの湿地帯だったところを、農作地に変えるために湿地帯を堤防で囲み、水路を作って水を排出するようにしました。
ですが柔らかい湿地帯は地盤沈下を起こしてしまい、海抜よりも低くなって堤防の内と外で高低差が生まれ、うまく排水ができなくなりました。
困り果てた人々は、低いところから高いところへ水をかき出す動力として、風車を使うことを思いつきました。
北海からオランダ特有の強風が吹きつけるので、平坦な土地に作られた風車は重要な動力でした。当時の風車は粉挽きや油絞り、脱穀などに利用され、人々の生活に欠かせないものでした。
また、風車の羽根の静止角度によって、祝い事や弔事などを近隣に知らせる伝言板の役目も果たしていました。
18世紀にはオランダ全土で約10,000基もの風車が稼働して水を汲み上げていましたが、その後、老朽化や産業革命によりたくさんの風車が取り壊され、排水の動力源が風車から蒸気システム、ディーゼルエンジン、電気へと変わっていったことから、風車はどんどん姿を消していきました。
現在は1000基ほどの風車が残されていますが、一度に19基もの風車を見ることができるのは、キンデルダイクだけです。
キンデルダイクの風車は動かすことは可能ですが、観光用なので基本的には動いていないです。
現在は2つの風車が博物館として公開され、内部の見学が可能です。
中に入ると住居スペースのキッチンやリビング、洗面所、ベッドなど、当時の生活の様子を垣間見ることができます。また、現在でも管理人が風車に住んでいます。
風車のそばの運河沿いを散歩しながら、のどかな風景に浸っていると、まるで絵画の世界に入り込んだような錯覚に落ち入ります(笑)
2019年から入場料がかかるようになりましたが、オランダを訪れたなら、ぜひ!行きたい場所のひとつです!
「ヨーロッパの庭」キューケンホフ公園!
オランダはゴールデンウィーク中に訪れる海外旅行先として大人気です。
この時期に訪れると、思う存分チューリップの世界に浸ることができ、美術館もたくさんあるので芸術鑑賞を楽しむこともできます。またお隣のベルギーに足を延ばして、美味しいワッフルやチョコレートの食べ歩きをするのもおすすめです!
チューリップで有名なキューケンホフ公園が開園されるのは、3月中旬~5月中旬までの約2ヶ月間だけで、チューリップ以外にもスイセンやヒヤシンス、ムスカリなどが植えられ、開園期間中はいつ訪れても美しい花々が鑑賞できるように工夫されています。
その年の気候にもよりますが、オランダのチューリップの見頃はだいたい4月半ばから5月上旬なので、毎年ゴールデンウィークにはたくさんの日本人が訪れます。
公園の広さは約32ヘクタール(東京ドーム約8個分)園内にはチューリップを中心にいろんな花が咲き乱れ、4つのパビリオンでは色とりどりの花が展示されます。
また毎年異なるテーマで造園されるので、いつ訪れても楽しむことができます。
初めてキューケンホフ公園を訪れた時、チューリップの種類の多さに驚いたのと、写真を撮るのに夢中になり、あっという間に時間が過ぎてしまいました…
たくさんのチューリップの前では大人もみんな童心に戻り、いろんなポーズで写真を撮るので、見ていてとってもかわいいです(笑)
とても広いので、まずは園内マップを入手してから見学スタートしましょう!
園内のチューリップも素晴らしいですが、無料で入れる風車の上から見えるチューリップ畑のじゅうたんも感動します!
時間が許す限り、チューリップの世界を楽しんできてください!
チューリップ、実はトルコ原産でトルコ語では「ラーレ」
チューリップシェアではオランダが世界1位ですが、実はトルコが原産国です。
チューリップの国トルコはこちら!
歴代のオスマン帝国のスルタンに愛されたチューリップ、もともとは現在のトルコがあるアナトリア地方に自生している花でした。
オスマン帝国の最盛期を築いたスレイマン1世の時代には、赤くて色鮮やかなチューリップは人気を集め、自生のチューリップだけではなく球根の栽培もされるようになりました。
※トプカプ宮殿
トルコ語でチューリップは「ラーレ」ですが、それをアラビア語で書いて文字を入れ替えると、イスラム教の神「アッラー」に、またその文字を語末から読むとトルコ国旗のシンボルでもある三日月「ヒラール」という言葉になるそうです。
そのため、チューリップは宗教的、国家的なシンボルになり、宮殿やモスクを装飾するタイルやスルタンの衣服、身につけるものなどに、たくさんデザインされています。
チューリップがヨーロッパに伝わるのは16世紀、オーストリアの大使が球根を持ち帰ったのがきっかけです。
諸説ありますが、彼が赤いチューリップの美しさに感動し花の名前を聞いたところ、ターバンの名前をたずねられたと勘違いをした通訳が「チュルバン=ターバン」と答え、それがチューリップという名前の由来になったとか…
※ドルマバフチェ宮殿
もしラーレという名前で伝わっていたら…全然違うイメージです(笑)
世界で最初のバブル「チューリップ狂時代」
1554年にオーストリア大使がウィーンに球根を持ち返り、植物学者カロルス・クルシウスが球根を受取りました。
その後、彼はオランダのライデン大学へ移り、ウィーンから持ってきたチューリップの栽培を始めました。当時はまだ珍しい植物で、栽培中に何度もチューリップが盗まれたそうです。
人々は珍しいチューリップを高貴な花だと思い、最初は上流階級の間で流行しました。
オランダだけではなく、ドイツやイギリスの資産家たちの間でも人気を集めました。
チューリップは一種のステータスのシンボルとなり、上流階級社会では、「チューリップを収集していない家は趣味が悪い」とまで言われたそうです。
17世紀初めには船でイスラム圏からオランダに大量の球根が運ばれてくるようになり、品種改良ブームが起こりました。品種が増えるにつれ、チューリップの人気はさらに高まり、世界で最初のバブルと呼ばれるチューリップ狂時代(チューリップ・バブル)へと突き進んでいきます。
珍しい品種のチューリップは高値で取引され、たった1個の球根にアムステルダムで小さな家が買えるほどの値段がつきました。
チューリップには、普通の花には見られない独特の性質がありました…
それは赤や黄色の普通のチューリップが、翌年、突然白と赤が複雑に混ざり合った模様になったり、元のものとは全然違うチューリップになることがありました。
実はウイルス病が原因で起こる現象でしたが、当時はウイルスが原因だと分からず、このような模様の突然変異は「ブレイク」と呼ばれ、品種改良の結果だとか、チューリップが自らの意思で模様を変えていると言われていました。
ウイルス感染した「ブレイク」チューリップは、普通のチューリップよりも色合いが淡くて多彩で美しいチューリップになり、お金持ちはこぞってこの珍しいチューリップを手に入れたがりました。しかしブレイクして弱った球根からまた球根を取るのはとても難しく、そのためとても高い値がつきました。
チューリップバブル、はじける…
普通の球根が「ブレイク」すれば大儲け!「チューリップは簡単に儲かる」という噂が流れ、一般市民もチューリップ市場に現れ始めました。上流階級や大商人などは、一般人が球根を買いあさって価格が上りだすと、市場から姿を消しました。
一獲千金を夢見る人たちが、たくさん市場に集まってくると、球根の供給が追い付かなくなり、畑の中にある球根が先物取引されるまでになりました。
そうなると実際には存在しない球根を売る売人が現れ、資金がないのに手形で決済してすぐに転売し利益を出す買い手が現れ、多くの人たちの間で投機ゲームが繰り返されました。いつしか熱くなりすぎて全財産をつぎ込む人まで出てきました。
しかし、1637年2月3日、ついにその日がやってきました。
球根の価格が大暴落したのです。
チューリップバブルがはじけた瞬間でした…
その日、いつものように売人が球根を転売しようと買い手を探しましたが、どこを探しても見つけることができませんでした。何の前触れもなく、買い手がいなくなったのです。
その話はすぐ街中に広がり、多くの売人たちが球根を売ろうとしましたが、やはり買い手が全く見つかりません…球根の価格は大暴落!
チョーリップの投機ゲームに参入した人たちが売買していた球根は、安価でよくある品種でした。それが高値で売れるはずもありません。こうして約4年にわたって続いたチューリップ狂時代は、あっけなく終わりました。
これが、歴史上初めて起きたバブル経済事件といわれています。
その後、オランダではしばらくの間、チューリップは愚かさの象徴としてオランダ国民から嫌われ、避けられるようになってしまいました…
しかしその後もチューリップの栽培は続けられました。他のヨーロッパではチューリップの取り引きが続けられ、まだまだ需要があったからです。
干拓して作られた土地は農作物には向かないけれどチューリップの栽培に適していたことや、チューリップは10℃以下で冬を越すとキレイな花を咲かせるので、オランダはその条件にぴったりはまりました。
そして現在はチューリップバブルを乗り越えて、世界有数のチューリップ生産国になりました。現在は5000を超える品種が登録されています。
世界中で愛される花、チューリップ
チューリップが日本に伝わったのは1863年、オランダと同じく最初は外国人や上流階級などごく一部の人たちの観賞用でした。
その後、大正時代になってから本格的な球根栽培が始まりました。
球根栽培の日本一は富山県、切り花の生産日本一は新潟県です。
日本海側の降雪地帯は湿気が多く、夏はそれほど気温が上がらないので、チューリップ栽培に適し、どちらの県も水田の裏作として球根栽培が行われています。
長くなりましたが…
チューリップには、世界初のバブルを引き起こした歴史があったのです!
シンプルで美しいチューリップが多くの人たちを魅了し、人々の人生を翻弄し、その結果生まれた豊富な種類のチューリップがここに集まっているんだと思うと、キューケンホフ公園にあるチューリップを見るのは感慨深いです。
撮っても撮っても、撮り切れないくらいのチューリップが咲いています!
色も形も様々で、本当に時間があっという間に過ぎていきます。でも頑張って園内一周してみて下さい!きっとお気に入りのチューリップが見つかると思います!
この時期は花のパレードなど数多くのイベントも開催されます。
今年はムリでも、来年のゴールデンウィークはぜひ!オランダ旅行でチューリップの世界を楽しんできてください!
一生分のチューリップを、一日で見ることができます!(^^♪
インスタグラムにも、たくさん写真があります!
アオテアロアのインスタグラム→こちら
コメント
オランダ。綺麗なチューリップの写真に癒されました。是非是非、またオランダに行き、可愛いチューリップを見に行きたいです。春らしいブログ記事読ませていただきありがとうございました
今年は家の近くの桜やお花を見るのが精一杯…それでもお花には、心が癒されます!
オランダのチューリップもコロナに関係なく、今年もたくさん咲いているみたいで、本当にまたキューケンホフ公園へ行きたいです!
来年は行けるといいですね!
夢みたいなチューリップの写真で癒されました。ありがとうございます。
チューリップバブルやオランダの紹介も面白かったです。
ブログ楽しみにしています。
ブログも見てくれたんですね!嬉しいです!ありがとうございます!
チューリップって、シンプルだけど、あんなにたくさん集まったら感動ものです!
また少しずつですが、いろんな国について書いていこうと思います!
ネコちゃんの写真、楽しみにしています!