美味しいピザ食べたい!ナポリ発祥の絶品ピザ・マルゲリータとピザ豆知識【後編】

イタリア

ピザトーストを作りました!これは誰が考えたメニュー?

みなさん、こんにちは!アオテアロアです!

ピザの話を書いていたらすご~くピザが食べたくなって「ピザトースト」を作りました!残念ながら…いちからピザを作れないので(笑)
その時ふと「ピザトーストを考えたのは誰だろう?」と思い調べてみました。

東京・有楽町にある「珈琲館 紅鹿舎(べにしか)」というお店で、1964年頃にピザをメニューに取り入れようとしたけれどまだまだピザが高価な時代、ピザを焼くのに十分な設備もなく、あれこれ試行錯誤して考え出されたのがピザトーストだそう…
日本人は言葉にしても料理にしても、異文化をアレンジして自分たちのものにするセンス世界一です!

ちなみに、このお店には「悪魔の炎」というメニューもあるとか…気になる方は東京へ行ったら立ち寄ってみてください(笑)

カリブラコア レモンスライス※本日のお花:カリブラコア レモンスライス

前編に続き、後編でもピザにまつわるお話をしていきたいと思います!
※まだ前編を読んでいない方はこちら!

前編で紹介したピザ・マルゲリータの具材はとてもシンプル!

トマトソース、バジル、モッツアレラチーズです。
チーズは動物の乳から作りますが、モッツァレラチーズはどの動物の乳から作られているかご存知ですか?

正解は「水牛」です!
イタリアに水牛いたかな??と思われた方、旅行中に見かけることはほとんどないですが、南イタリアにいるのです!諸説ありますが、7世紀頃に農耕作業のためにアジアから連れてこられそのまま定住したという説が一般的です。

ピザの具にしても美味しいモッツァレラですが、実は新鮮なものをそのまま食べるのが「一番美味しい食べ方」です。濃厚なミルクの味わいとほのかな甘みと酸味、弾力のある歯ごたえ、一口食べたらミルクの世界へダイブ~!本当に美味しいです!

本場で食べるモッツァレラ…濃厚でやわらかいミルクの世界に感動!

モッツァレラの生産がさかんなのはカンパーニャ州(南イタリア)で、サレルノの町の近くに「モッツァレラの里」と呼ばれるカパッチョという、酪農工場が立ち並ぶエリアがあります。

最近は工場見学ツアーなどもあり、モッツァレラの製造工程を見学したり、作りたてのモッツァレラチーズを味わったりすることができます。水牛のミルクで作られたヨーグルトやジェラートなども人気があるそうで、機会があればぜひ行ってみたいです。

よく「モッツァレラ」といいますが、実はモッツァレラには大きくわけて2種類あるのをご存知ですか?「水牛」と「乳牛」のモッツァレラです。

本来は水牛のミルクから作るのですが、水牛は数が少ない上に搾乳できる量が少ないため需要に追い付けず、普通の乳牛のミルクでもモッツァレラを作っています。

私がみなさんにぜひ食べてきていただきたいのは「水牛」のモッツァレラで、パッケージに「Mozzarella di Bufala Campanaモッツァレッラ ディ ブッファーラ カンパーナ」と記載されているものです。これは「カンパーニャ州の水牛乳で作られたモッツァレラ」という意味で、本来のモッツアレラチーズです。

ちなみに乳牛から作られたものは「Fiori di latte:フィオーリ ディ ラッテ」や「Mozzarella di Bacca:モッツァレラ ディ バッカ」と呼ばれ、水牛のものと区別されています。

乳牛と水牛で搾乳量を比較すると、乳牛は一日で約35リットル、水牛は約7リットルと少なく、そのため希少価値も付き、水牛のモッツァレラの方が「高価」で「味」も美味しいです。

モッツァレラの作り方は、チーズのもとになるカード(凝固剤で固めたもの)を細かくカットして熱湯を注ぎ、溶け出したカードを棒で手早くかき混ぜまぜて余分なお湯を捨てます。さらに練ってのばすと、ツヤツヤで弾力のあるつきたてのお餅のようになり、それを2人一組になって引っ張りながら一定の大きさに丸めて引きちぎります。ちぎったらすぐに塩水に浸けて引き締め、薄い表皮が出来たら完成です!

この引きちぎる=mozzaturaモッツアトゥーラという作業が、モッツァレラの名前の由来になりました。

新鮮なモッツァレラはジューシーで弾力があり、中身には小さな気泡があります。カットして中も確認してみてください、軽く押しただけでもじわっとミルクがしみ出してきます。これこそが本当に美味しいモッツァレラ!鮮度が命なので、できればその日のうちに食べるのがベストです!買う時は日付けも確認しましょう!

ちなみにソフトボール大のものをモッツァレラ、ピンポン玉サイズのものはポッコンチーニ、三つ編みにしたものはトレッチと言います。

この絶品モッツァレラを一度食べたらその味が忘れられず「また、食べたい!」と思うものの、なかなか食べる機会がありません…最近はイタリアからモッツァレラが空輸されているので、日本でも手に入れることは可能です。

一般的にスライスしたモッツァレラとトマト、バジルで作るサラダ「カプレーゼ」が人気で、白ワインとよく合います。

お店のメニューのモッツァレラの後にわざわざ「ブッファーラ=水牛」と書いてあれば水牛のモッツァレラで、「モッツァレラ」としか書いていなければ乳牛のモッツァレラです。(一応、レストランに確認してみてください)

ネットでも買えるようですが…鮮度はどうなのでしょう?やはり、現地で食べるのが一番おすすめです!
日本人の職人さんが本場で修業をし、日本で飼っている水牛のミルクから作った新鮮なモッツァレラをオンラインショップで販売しています。参考までに…
KURKKU FIELDSクルックフィールズ:日本人職人が作る美味しいモッツァレラはここをクリック!

ピザ?or ピッツァ?ピザの食べ方は?イタリアではタバスコはかけない??

よく耳にする「ピザ」と「ピッツァ」この記事を書いていて、あれ…どう違うの??と気になり調べてみました。

あまり意識はしていなかったけど、定義的には「ピザ=アメリカ風ピザ」「ピッツァ=イタリア風ピザ」ピザは英語でピッツァはイタリア語なので、アメリカから入ってきたものはピザ、イタリアから入ってきたものはピッツァと呼ぶそうです(なるほど…)

切り売りピザ

アメリカに住んでいるイタリア移民が食べていたピッツァが美味しいと評判を呼び、アメリカ全土に広まり、いつしかピザはアメリカの「国民食」になりました。その時に「ピッツァ」ではなく「ピザ」と呼ばれるようになり、独自にアレンジされて進化していきました。日本にもたくさん支店がある宅配のドミノピザアメリカのピザ店です。

アメリカでピザが進化したように、日本の寿司が外国で進化することもあります。例えばカリフォルニア巻きが誕生したように、外国へ行くと、日本人の発想では生まれないような「独創的」な寿司に出会うことが時々あります。でもこれを見て「邪道だ!」と思うか「斬新だ!」と思うかは人それぞれ…です。

マレーシアの寿司※ペナン島で見つけた独創的な寿司…

イタリアの「ピッツァ」は具材だけではなく生地にもこだわっていますが、アメリカの「ピザ」は生地よりもトッピングを楽しむことを重視しています。トッピングが増えると重くなるなるので、生地が分厚くなります。

イタリアでは基本的に1人1枚を注文しますが、アメリカではサイズも大きいので、食べるときにはピザカッターで切り分け、みんなでわいわい食べます。

時々見かける光景に、イタリアのレストランでピザを注文した観光客がお店の人に「ピザカッター」をお願いしているのを見かけます。イタリアではピザカッターはでてきません。テーブルにあるナイフとフォークで「食べやすい大きさ」に自分でカットします。

また、タバスコをお願いしているのもよく見かけます…イタリア人はピザにタバスコをかけません。

最近は観光客用にタバスコを置いているお店もありますが、置いていないお店もあります。そういうお店では「タバスコ」と言われたらイタリアのタバスコオーリオ・ピッカンテ(Olio Piccante)」を持ってきます。これはイタリア風タバスコで「唐辛子入りオリーブオイル」ピリッとした辛さが食欲をそそります。

「辛いのが好きだから」と、食べずにいきなりタバスコをじゃんじゃん振りかける人がいますが、まずは職人さんが一所懸命に焼いた美味しいピザをそのまま味わってみてください。生地、具材、焼き加減、全てのバランスがひとつになって初めて「本物の美味しいピザ」が完成します。

ピザはどうやって食べる?手で…それともナイフとフォークで?

美味しい熱々の焼きたてピザがテーブルに運ばれてきました!
前章でお話した通り、ピザはナイフとフォークで食べやすい大きさにカットします。でも「どうやってカットするの…?」と悩みますよね(笑)

ピザマルゲリータ

面倒だし手で食べたらダメかな…?とか思ってしまいますが、美味しく食べられるのなら、ナイフとフォークで食べても、手で食べてもOKです!大事なのは「美味しいピザを美味しく」いただくことです!ただ焼きたては熱いのでナイフとフォークで食べる方がいいかもしれません。

ピッツァは熱いうちに食べるのが鉄則です!

ナイフとフォークでの食べ方は、だいたい6~8等分サイズの三角形にカットします。この時は全体をカットせずに、今食べる1ピースだけをカットします。そうしないと全体に切れ目を入れている間にどんどんピザが冷めてしまいます。

とんがっている方からピザの耳に向かってクルクル巻いていきます。耳のところまで巻けたら、あとはひと口サイズにカットします。

ピザの食べ方

食べるマナーに気を取られすぎてせっかくの美味しいピザの味がわからなくなってしまってはもったいないので、周囲の様子も見ながら自分流に美味しく食べるのがベストです。

ただしこの食べ方はナポリピッツァのように、生地がもちもちとやわらかいピザの食べ方で、ローマ風のサクサクした生地やアメリカ風の分厚い生地ではできませんので、あくまで参考に…

美味しいピザを食べたい時…どうやってお店を選びますか?

美味しいピザが食べたいけど、どこのレストランへ行こうかな…星の数ほどあるお店の中から選ぶのはなかなか難しいです。

そんな時の目安のひとつが「石窯」があるお店です。石窯がないとオーブンで焼くしかないので、高温で一気に焼くあのもちもちピッツァを作るのは難しいです。もちろん、石窯があるから美味しいとは言い切れません…なぜならピッツァを作るのは職人技だからです。

誰でも作れそうで、でも美味しいピッツァとなるとそれなりの「腕」が求められます。では、腕の良い職人さんがいるお店を探す方法は?いろいろあります。

簡単なものなら口コミ…現代社会では欠かせない情報です。またミシュランに載ったお店など…でもそれよりもっと確かな方法があります!

真のナポリピッツァ協会(AVPN)」をご存知ですか?

時代と共に新しいピザが考案され、伝統的なピッツァが失われるのではという危機感を持ったナポリピッツァの職人たちが、ナポリに古くから伝わる職人の技術を再評価し、時代や世代交代からくる変化から「伝統的なピッツァ」を守り続け、一定の基準を定めることにより「後世に伝統と技術を伝える」ことを目的に1984年に設立された非営利団体です。

「真のナポリピッツァ」の条件はいろいろあります。
例えば、こだわりの生地に使うのは「小麦粉、水、酵母、塩」の4つのみ。
時間をかけて熟成させ、ふくらみをつぶさないように「手」だけで生地を延ばす。
窯の燃料は薪か木くずを使い、仕上がりはふっくらとして「コルニチョーネcornicione=額縁(日本で言う耳の部分)」が大きく膨らんでいることなど…

400℃を超える高温の石窯で一気に焼き上げるので、表面は少しパリっとしていて、中身はふんわりもっちり…本当に何度でも食べたくなる絶品ピザ」です!

ピザレストラン

こうして守り続けている職人技が2017年に「ナポリのピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の技巧」として世界無形文化遺産に登録されました。

「真のナポリピッツァ協会」の認定店は世界中にあり現在は800店以上、厳しい審査に合格し正真正銘のナポリピッツァを提供できると認められたお店だけが、伝統的なナポリの道化師「ブルチネッラ」がピザを焼くデザインロゴの使用が許されます。

日本国内には現在「82店」の認定店があります。
お店のリストは「真のナポリピッツァ協会」のHPに載っています、ここをクリック!

認定店ではなくても、職人さんが丹精こめて作った美味しいピザを提供しているレストランはたくさんあります!いろんなお店を食べ歩いて「お気に入りのお店」を見つけてみてください!

今回はピザのお話をしましたが、材料ひとつとっても、何かを作るにしても、それを作る人や生み出す人たちの苦労と経験と喜びが、どの料理にもたくさん詰まっています。

コロナの影響で飲食業は大打撃を受けました。こうして日常が戻りつつある今こそ、どん底にありながらもお客様のために必死で頑張っている飲食業の人たちを元気づけるためにも、ぜひお友達やご家族と一緒に外食を楽しんでください!

カプチーノ

美味しい食事はみんなを「笑顔」にしてくれます!
私も美味しいピザを食べに行きます(^^)

インスタグラムにもたくさん写真があります!
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コメント

  1. pocoapoco より:

    水牛モッツァレラ工場見学行ってみたいです。モッツァレラチーズ本場で味わったら。。。想像するだけで楽しいです。日本にも認定されたナポリピザの店が
    たくさんあるんですね。外食しやすい食べ物だし、チェックして行ってみたいです。

    • aotearoa aotearoa より:

      できたて新鮮なモッツァレラ、私も食べてみたいです!作っているところも見学したいなと思います。
      日本人は食のセンスや味覚が素晴らしいので、外国へ行かなくても美味しいものはいくらでも食べられますよね!
      美味しいピザを見つけたら教えて下さい!

  2. HASHIMOTO RUMI より:

    ピザ食べたいなあと思いドライブしてきました。ナポリで修行されたオーナーさん美味しかったです

    • aotearoa aotearoa より:

      本格的なピザ、美味しそう!私も食べに行きたいです!
      移動の制限も解除されたので、どこでも行きたいお店に行けますね!
      自由に動けるっていうだけで幸せです!