忘れられない…人生で一番思い出深いクリスマス・イブの夜

きよしこの夜礼拝堂 オーストリア

ウクライナとロシアの戦争

みなさん、こんにちは!アオテアロアです!
今日はクリスマス・イブですね!
みなさん、今夜は誰と過ごされますか?

今日は一段と厳しい冷え込みで、寒すぎて外へ出られません。仕事も休みなのでブログを書いています。

クリスマスウインドウ
クリストキンドル/オーストリア

この寒い冬の中、ウクライナとロシアの戦争がまだ続いています。1年前のクリスマスに、誰がこの戦争を予想できたでしょうか?

ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカを訪問して、武器や支援を訴えました。
アメリカに降り立った時のゼレンスキー大統領はどんな気持ちだったのだろう…と、ふと考えてしまいます。

自国では、命がけで戦っている兵士や、戦争と寒さに苦しむ国民が待っている。でもアメリカではクリスマスを祝う人たちで賑わっている。

戦争とは無縁の暖かい部屋で美味しい食事をとり、家族や友人たちと楽しい時間を過ごしている。そんな当たり前の生活ができない戦地の国と、戦争とは関係なく日常を過ごす人たちが、同じ地球上に同じ時間に存在している…

私はいつも、この地球上にはいろんな世界が存在していると思っています。自分がどの世界に身を置くのかは、自分が歩んできた人生と選択によると思います。

いろんな世界を自由に行き来できるけど、どこへ行くかは自分で決める。もちろん、決められない場合もあるかもしれない。でも今、自分が心地よいと思える場所にいないなら、そう思える場所を求めて動くしかない。今はそれができる時代です。

オーナメント
ザルツブルクのクリスマスマーケット

でも、どこへ行くかを考えるには「自分と向き合う」ことが必要で、何をするにも「自分と向き合う」ことが大事です。でも、仕事の忙しさや、繰り返される日常に流されて、その大事さを見失ってしまうことも多々あります。今年も年越しをする時に、この一年を振り返り、来年の自分はどうしたいのか?を考える時間を持とうと思います。

忘れた頃にやってくる「ロスバゲ」

私が人生を振り返った時、一番思い出深いイブの夜は5年前、オーストリアにあるオーベンドルフで過ごした夜です。

あの時はまだ添乗員をしていて、きよしこの夜礼拝堂(オーベンドルフ)とドイツ・オーストリアのXmasマーケット巡るコースの添乗中でした。一番のメインは「きよしこの夜礼拝堂」前で行われるコンサートに参加するツアーで、訪れる各街のクリスマスマーケット巡りを楽しむ、この時期ならではのコースでした。

ウィーンのクリスマスマーケット

記憶が曖昧なのですが…ひとつ覚えている確かな記憶があります。それはあの時、私と4名のお客様のスーツケースがロスバゲしたことです。ロスバゲとは、ロストバゲージの略語で、日本を出発して目的地の空港についた時に、ターンテーブルから荷物が出て来ないトラブルです。

出発前の安心コールで必ず「一泊分の着替え、もし着替えが荷物になるようなら、せめて下着の替えだけでも機内持ち込みの手荷物に準備してください」と、いつも強くご案内をしていました。なぜなら、添乗員になって間もない頃、初めてのロスバゲで事件が起こったからです。

あの時はどれくらいのスーツケースがロスバゲしたのか覚えていませんが、イタリアの空港についた時に、ロスバゲが発生しました。ロスバゲの手続きを済ませた後、夜遅くにホテルに到着しました。お客様が鍵を受け取って続々と部屋に入る中、一組の新婚さんの奥さまが泣いていました。

「新婚旅行なのに、シャワーを浴びて着替える下着もないなんて、ひどすぎる」

新婚さんご夫婦とも荷物が出てこなかったのです。航空会社にロスバゲした時にもらえるナイトキッドを頼みましたが、ロスバゲが多くてもう在庫がないと言われ、何もない状態で空港を後にしました。ホテルに向かう道中、もうお店はどこも閉まっていて、どうすることもできませんでした。

私にできることはないかと必死に考えて、下着を裏返してはいたらどうかとか、サイズが合うかわからないけど私が持っているさらの下着をお渡しする…思いつくことを絞り出しました。でもさすがに裏返しするは言いにくかったので、後者を提案してみましたが…もちろん受け入れられるわけもなく撃沈でした。仕方なく一般的な方法をお伝えしました。

「下着を手洗いして乾いたタオルに挟んで強く絞ってドライヤーを当てると、なんとか乾くと思います」フロントにお願いをしてタオルも余分にもらいました。

旦那さまが一言、「ぼくたちが1日分の着替えを用意してこなかったのが悪かったんです」

用意してこなかったことが悪いわけではなく、ちゃんと荷物を届けなかった航空会社に非があるのは確か。でもいろんな事情でこういうことが起こりうるのも事実。備えあれば憂いなし、一泊分の準備をされていたお客様はそのままお部屋へ…難しい問題です。

この件があって以来、着替える下着がないと泣かれるお客様をもう二度と見たくない…
だからこの点だけは安心コールで強く念押しをするようになりました。その甲斐あってか、それ以来、ロストバゲージが発生しても、着替える下着がないと泣く方は一人もいませんでした。

添乗員がロスバゲに遭遇した時に思うことあるある…
お客様の荷物ではなく、自分の荷物がロスバゲすればよかったのに…

お客様の荷物が出てこなくて自分の荷物が出てきた時、添乗員が悪い訳ではないけど申し訳なく感じてしまい、気も遣います。もちろん、添乗員は必要なもの全てを機内に持ち込んでいるので、荷物が出てこなくても困ることはないです。

冬で雪が降ったからか、何が原因で荷物が届かなかったのか覚えていませんが…とにかく、添乗員と4人のお客様は荷物なしでツアーがスタートしました。

思い出のツアー、親切な心遣いに感謝…

1日目は日本を出発してフランクフルトに到着、ロスバゲ対応をしてホテルに到着して終わりました。2日目はニュルンベルクの観光をした後、クリスマスマーケットを楽しんでローテンブルクへ移動。

ニュルンベルクの街
ニュルンベルクの旧市街

一度ホテルにチェックインした後、ローテンブルクの観光をして夕食の時間までフリータイム。各自クリスマスマーケットや買い物を楽しみました。

このローテンブルクに、いつもお世話になっているお土産物屋さんが聖ヤコブ教会の前にあり、ローテンブルクに立ち寄った時には必ず顔を出していました。この時もお店に寄り、ロスバゲしたことを話していたら帰り際に「これ、クリスマスプレゼントです」と、小さな袋を頂きました。中を見たら入浴剤と雪だるまが描かれた冬景色のフェイラーのハンカチタオルが入っていました。

「え、これ全部、頂いていいのですか?」
「ロスバゲで大変な思いをされたでしょう、この入浴剤で熱いお風呂に浸かって疲れを癒やして下さい」
涙がこぼれそうなほど、嬉しかったです!

ローテンブルクのクリスマス
ローテンブルクのクリスマスの様子

荷物の問い合わせをするも、なかなか電話が繋がらず、いつ荷物が届くのかはっきりしない中、荷物がいつ届くのか?と質問や催促はされるけど、こんな優しい気遣いをしてくれる人はいません。驚きと嬉しさで「がんばろう!」と元気が出ました。

3日目はローテンブルクを出発してフッセンに向かい、ランチ後にノイシュバンシュタイン城を見学してそのままフッセンに宿泊。添乗員なら誰でも知っている「EUROPARK」に宿泊。この宿の朝食にはご飯や生卵、カレーが並びます(笑)

ノイシュバンシュタイン城
冬のノイシュバンシュタイン城

いよいよメインの「きよしこの夜礼拝堂」へ

4日目は、このツアーのタイトルになっている「きよしこの夜礼拝堂」へ行くクリスマス・イブ!でも未だ荷物は届かず…一刻も早く荷物を受け取りたかったのですが、荷物の受け損ないや入れ違いがあっては困るので、確実に受け取れるよう、ウィーンのホテル(2泊するので)に届けるように依頼した記憶があります。

過去に1名、帰国して3日後にロスバゲが届いたお客様がいらっしゃいました…
そして、航空会社がお客様のスーツケースを「紛失」したケースが1件ありました…
「紛失」は宝くじに当たるのと同じくらいの確率だと思います。

荷物の紛失や行方不明を避けるためには、確実に受け取れる場所を指定しなければいけません。
早く受け取るよりも確実に受け取る…
みなさまも海外へ行かれてロスバゲに遭遇した時は、連泊するなど長く滞在する場所や、空港が近い場所を指定すると、荷物を受け取れる確率が上がります。

幸い、お客様全員が海外保険に加入されていました。ロスバゲ翌日から、保険で買える範囲内で必要なものをご購入していただくようご案内をしていたので、とりあえず何とか過ごせていました。

フッセンのホテルを出発後、途中で国境を超えてオーストリアへ。約3時間かけてザルツブルクへ移動。ランチ後、クリスマスマーケットを楽しみ、15時に再集合して、いよいよ「きよしこの夜礼拝堂」へ!ミサは17:00からだったけど、礼拝堂や博物館、お店など、見るところもあるし、コンサートを見に来る人たちですごく混むので早めに向かうことに。

きよしこの夜礼拝堂
きよしこの夜礼拝堂/オーストリア

「きよしこの夜、奇跡の誕生秘話」に関しての詳しいお話はこちらをご覧ください!

オーベンドルフは世界中の人たちが知っているクリスマス・キャロル「きよしこの夜」が誕生したところです。約200年前に作られた「きよしこの夜」は、いろんな人たちの想いが込められた「奇跡」の歌です。この誕生秘話、そして戦争中に起こした奇跡のお話は、涙なしでは語れません…

第一次世界大戦中に迎えたクリスマスに奇跡が起こりました。敵対していたドイツ軍とイギリス・フランス軍が対峙する最前線で、クリスマス・イブの夜に「きよしこの夜」が響き渡りました。きよしこの夜を聞いた兵士たちは、死と隣合わせの中、この歌の力で「人間らしい心」を取り戻し、銃を置いて休戦をしたのです。

キャンドル
教会のキャンドル

「きよしこの夜」は、ただのクリスマス・キャロルではないのです。過酷な戦場でも人々の心の奥底にまで響く「特別な歌」なのです。その時の詳しいお話はこちらをご覧ください(涙を拭くハンカチをご用意してください)

戦争は人々の心から人間らしい心まで奪ってしまう恐ろしいものです。そして現在も、ウクライナとロシアでは戦争が続いています。きっと、誰もがクリスマスを家族と過ごしたいと思っていることでしょう。

もし、もし、またクリスマス休戦のような奇跡を起こすことができるなら、このクリスマス・イブの夜に「きよしこの夜」の歌が人々の心に響いて、全ての戦争が終わる奇跡が起こってほしい…そう思います。

5年前の夜、礼拝堂の前で世界平和を祈りながら歌った「きよしこの夜」

きっと今夜も、礼拝堂の前でたくさんの人々が世界平和を願って「きよしこの夜」を口ずさむことでしょう… また、あの場所で歌うことはできなくても、ここ日本で、この美しい「きよしこの夜」を歌いながら、世界平和を祈りたいと思います…

5年前の奇跡

きよしこの夜礼拝堂のコンサートを終えてホテルでチェックインをしようとしたら、スタッフから「これ、あなたたちのグループに届いた荷物よ」と声をかけられました。そこには見慣れたスーツケースが!

え~!全然電話が繋がらなかったのに、予告もなしに無事に荷物が届くなんて、これぞ本物のクリスマスの奇跡~!!!4人のお客様と一緒に大喜びしました。
やってくれるね、ルフトハンザ!
その日の夜も入浴剤を入れた熱いお風呂に入り、ぐっすり眠りました。

サンタさん
ニュルンベルクのクリスマスマーケット

翌日、車内でサンタの帽子を被ってクリスマスのお菓子を配りました。荷物が届かなければ、このお菓子も配ることができなかったので、本当に奇跡です!
配ったお菓子の中に1つだけ当たりをいれました。みんな「当たり」を引こうと、楽しそうにお菓子を選んでいました。ちなみに当たりのプレゼントは…フリ〜ズドライのお味噌汁でした!寒い冬のツアー中に、熱いお味噌汁を口にしたら、懐かしさと安心感でほっこりします。

これが忘れることができない、5年前のクリスマスの思い出です…

5日目はザルツブルクを観光した後、クリストキンドルに立ち寄りウィーンへ。
6日目は午前中ウィーンの観光、午後はフリータイム。
7,8日目は日本へ帰国…

ウィーンのクリスマス
ウィーン市庁舎前のクリスマスマーケット

部屋を探し回ったら当時のレポートが出てきたので、この時のことを思い出しながら、ツアーのお話を書いてみました。なんとも楽しい思い出です。

今年のクリスマスは「平凡」なクリスマスですが、この「平凡」なクリスマスを楽しく幸せに過ごせることが、実は「奇跡」なのです。

みなさまも「奇跡のクリスマス」を、大切な人と一緒に、楽しくお過ごしください!
☆★Merry Christmas★☆
(^^)

Merry Christmas
Merry Christmas!

そして、良いお年をお迎え下さい(^^)

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